| マイクロソフトは19日、同社がベータ版を提供中のスパイウェア対策ソフト「Windows Defender」について報道関係者向けの説明会を行ない、米Microsoftセキュリティビジネス/テクノロジーユニットのプログラムマネージャであるSterling Reasor氏が、その設計コンセプトなどを説明した。
 
 ● Windows Defenderでは検知機能を提供、判断はユーザーに選択肢 
Reasor氏はまず、Windows Defenderが対象とするソフトウェアのカテゴリーについて説明するために、ユーザーが被害を受ける可能性の高さをソフトウェアの動作や挙動によって8段階に分類した。| 
 |  | 米Microsoftセキュリティビジネス/テクノロジーユニットのプログラムマネージャであるSterling Reasor氏 |  | 
 |  | 被害を受ける可能性の高さをソフトウェアの動作や挙動によって8段階に分類 |  
 すなわち、1)例えば「Notepad」など、脅威の可能性がない「無害」、2)同意を得ていないポップアップを表示するなどの「広告」、3)同意済みの検索ツールバーや、疑惑の伴うデータ収集など個人情報を収集する「データ収集」、4)設定支援ソフトやブラウザハイジャッカーなどの「設定変更」、5)ペアレンタルコントロールやキーロガーなど入力の記録を行なう「監視(覗き見)」、6)ISPの接続ソフト、ダイアラーなど、有償回線へダイアルする「ダイアル」、7)分散処理、グリッドアプリケーション、バックドアなどリモートからリソースを使用する「リソースの不正使用」、8)ウイルスやワーム、トロイの木馬など明確な悪意がある「悪意のある動作」である。
 
 このうち、1)と8)とでは、ユーザーが必要としているかどうかという観点から違いは明白だと指摘。8)については、マイクロソフトの「悪意あるソフトウェアの削除ツール」で対応する。一方、これら2つのカテゴリーの間にある2)から7)については「グレイエリア」(Reasor氏)であると表現。これらのグレイエリアはユーザーによって有害かどうかの判断が異なるものであることから、「ユーザーの意志に基づいてコンピュータにインストールされ、実行されるソフトウェアを管理・判断可能な環境を提供する」のがWindows Defenderだとしている。
 
 この点に関連してReasor氏は、あくまでもMicrosoftはWindows Defenderによってスパイウェアなどを検知する機能を提供するのであり、検知後の処理についてはユーザーに選択肢を与えていると説明した。
 
 ● Beta 2ではフィードバックをもとに全面的に再設計 
Windows Defenderは当初、「Windows AntiSpyware」の名称で2005年1月に英語版のBeta 1の提供を開始した後、ユーザーからのフィードバックをもとに全面的に再設計し、2006年2月に「Windows Defender Beta 2」として公開。64bit版Windowsにも対応した。6月からは「Windows 防御ツール」として日本語版も公開されている。Beta 2では、ヒューリスティック手法と復号ハッシュによる検出や、圧縮ファイルのスキャンにも対応し、検出・駆除性能が向上したという。| 
 |  | オプション画面で自動スキャンが設定できる(インストール後のデフォルト状態で有効になっている) |  
 さらにReasor氏は「普通のユーザー向けにデザインした」と述べ、1つのボタンでスキャンと駆除が行なえるなど、わかりやすいUIに再設計したことも強調した。また、定期的な自動スキャン・自動駆除も可能になったことをアピールした。
 関連情報
 
 ■URL
 Windows Defender
 http://www.microsoft.com/japan/athome/security/spyware/software/default.mspx
 
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( 永沢 茂 )
2006/09/19 20:26
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