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「WORM_STRATION」が感染拡大中~トレンドマイクロ9月度調査


 トレンドマイクロは5日、9月度の「ウイルス感染被害マンスリーレポート」を発表した。日本国内のウイルス感染被害の総報告数は9,398件で、8月の8,393件から増加した。

 被害件数のランキングでは、マスメール型ワームの「WORM_STRATION」が385件で1位だった。以下は、バックドア型の「BKDR_AGENT.EQO」が191件で2位、ワーム「WORM_RBOT」が165件で3位だった。

 WORM_STRATIONは、マスメール型ワームのファミリー(「WORM_STRAT」「WORM_STRATIO」「WORM_WAREZOV」を含む)の総称。8月末に登場したWORM_STRATIONは、急速な亜種の登場による流行から、トレンドマイクロが9月11日と20日にウイルス警報(日本国内のローカルなイエローアラート)を発令した。

 トレンドマイクロによると、「多くの亜種が発生し続けており、9月27日現在で160種類以上にも上る」という。また、「9月末には北米、ヨーロッパ、アジア各地でも感染が報告され、海外においても感染が広まりつつある」とのことだ。

 WORM_STRATIONは、主にシステムからのエラーメールを装った件名や本文が記載されたメールの添付ファイルとしてコンピュータに侵入する。マスメール送信活動的には特に大きな特徴はなく、二重拡張子、アイコン偽装、送信者詐称、エラーメッセージを装った本文、Windowsアドレス帳やローカルファイルからのメールアドレス収集などを行なう。

 コンピュータに侵入したWORM_STRATIONは、新しいWORM_STRATIONの亜種をダウンロードし、多重感染を狙う。トレンドマイクロは、「従来のマスメール型ワームは亜種が頻発しても、新しい亜種はゼロから感染を広げるしかなかったが、WORM_STRATIONは既に感染したコンピュータを次の亜種拡大の土台として利用する。結果として、ネットワーク上から完全に撲滅することが難しく、たとえ感染コンピュータの数が少なくても次々と感染が連鎖する状況になっている」と分析している。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.trendmicro.com/jp/security/report/report/archive/2006/mvr061005.htm

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( 野津 誠 )
2006/10/05 12:45

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