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「エビちゃん」の愛称で人気の蛯原友里さんのゴシップをネタにしたブログ。(注)肖像権を考慮して、顔にモザイク処理を施しました
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芸能人のゴシップをネタにしたWebサイトに要注意――。「芸能人の裏話」や「芸能人の噂」など、芸能人ゴシップを掲載しているようなWebサイトから、ワンクリック詐欺サイトに誘導するパターンが、過去3カ月で急増しているという。
URLデータベース事業を手がけるネットスターによれば、同社が7月から9月までに発見したワンクリック詐欺サイトのうち、全体の5割は芸能人ゴシップサイトから誘導されたものだった。ちなみに、昨年7月から12月までの半年間では、アダルトサイトや出会い系サイトから誘導する割合が7割を超えていた。
ネットスターが指摘する芸能人ゴシップサイトでは、芸能人の画像や週刊誌に書かれた記事を転載し、画像やリンクからワンクリック詐欺サイトに誘導することが特徴。これらのゴシップサイトは、ページの最初の方では芸能人の情報が閲覧できるようになっているが、それに安心してリンクや写真を次々とクリックしていくと、詐欺サイトに誘導されることが多い。現状では、これらのサイトの大半がブログで制作されているという。
ネットスターの高橋大洋URLリサーチセンター長は、「詐欺業者は、ブログの手軽さを利用してポータルサイトなどが提供する無料ブログサービスを使い、偽の芸能人ゴシップブログを複数立ち上げている。その結果、ワンクリック詐欺サイトへの誘導口が、格段に増えている」と説明する。
● 危険な芸能人ゴシップサイトが検索結果の上位に
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ニュースキャスターの不倫騒動をネタにしたブログ。キーワードの組み合わせによっては、検索結果の上位に表示される
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また、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、「○○○(芸能人の名前) ●●(ゴシップのネタとなるキーワード)」を入力すると、これらの芸能人ゴシップサイトが検索結果の上位に掲載されていることも、被害を拡大させている要因だ。電車の中刷り広告で気になった芸能人のゴシップを検索したら、危険な芸能人ゴシップサイトにたどり着くということも十分にありえる。
なお、詐欺業者は、「○○ 不倫」「○○ ニャンニャン写真」など、“旬”なゴシップネタそのものをブログのタイトルに付けたり、詐欺業者内でブログに相互リンクを重ねることで、検索エンジンで上位に表示されるための対策を行なっているという。ちなみに、芸能人の名前だけで検索した場合には、これらの芸能人ゴシップサイトが上位に掲載されることはないとしている。
これまで、ワンクリック詐欺サイトへの誘導方法では、迷惑メールに記載されるリンクから誘導するケースが大半を占め、検索エンジン経由で詐欺サイトに到達することはほとんどなかった。そのため、極論ではあるが、迷惑メールのリンクをクリックしなければ、ワンクリック詐欺サイトに騙される可能性は少なかった。
● ワンクリック詐欺サイトが設置する“サポート窓口”にも注意
このほか、迷惑メールや芸能人ゴシップサイトから誘導されるワンクリック詐欺の手口も巧妙化している。従来の手口では、詐欺サイトのコンテンツをクリックすると「ご登録ありがとうございます」と称して金銭の振り込みを促すものが多かった。
しかし最近では、それに加えて“サポート窓口”を設けて問い合わせを受け付け、閲覧者の個人情報を詐取するものが増えてきている。閲覧者の中には、突然高額な料金を請求されたことでパニックに陥り、身に覚えがないからといって詐欺業者に問い合わせをするケースがあるという。ネットスターの高橋氏は、「問い合わせや抗議は、詐欺業者に連絡手段を与えることになり、しつこく連絡される恐れがある」と警告する。
ワンクリック詐欺サイトが設置する“サポート窓口”の例。突然高額な料金を請求されたことでパニックに陥ったからといって、連絡を取ることは危険だ
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関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.netstar-inc.com/press/press061012.html
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・ 画像で見るワンクリック詐欺サイトのよくある手口(2006/07/26)
( 増田 覚 )
2006/10/12 13:56
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