米Googleは10月31日、Wikiオフィススイートサービスの米JotSpotを買収したと発表した。買収金額などの詳細は明らかにされておらず、取引はすでに完了している。
JotSpotは、オフィス風アプリケーションとWikiを統合し、普通のビジネスマンでもブラウザを使用してコラボレーションができるサービスを無料・有料で提供していた。利用できるページの種類にはスプレッドシート、フォトギャラリー、ファイルスペース、カレンダーがあり、それぞれのページをどの程度共有するかを設定することができる。仕事上必要となる文書作成、計算、スケジュールの共有などを簡単に行なえるサービスとして注目されていた。
Googleはすでにワープロ/スプレッドシートサービスである「Google Docs & Spreadsheets」やグループウェアの「Google Groups」、さらには企業や大学向けにGoogleのアプリケーションをカスタマイズする「Google Apps for Your Domain」などのサービスを提供しており、JotSpotのサービスとの親和性が極めて高いことから今回の買収を成立させと説明している。
今後JotSpotはGoogleとの統合作業を急ぎ、混乱を防ぐために当面の間JotSpotアカウントの新規作成を停止した。再開する際に通知してほしい人はJotSpotのページで登録しておくことができる。また、JotSpotの有料サービスを利用していた顧客は今後もJotSpotをそのまま利用できるが、JotSpotは無料サービスとなるため、今後料金が請求されることはないという。
Googleは非常に潤沢な現金を保有し、順調な経営を行なっているが、それでも収入のほとんどが広告収入に依存しているという“弱点”があるといわれている。10月19日に行なわれた2006年第3四半期決算発表では、Eric Schmit CEOは新たな収入源としてGoogleのアプリケーションを企業や大学などの独自ドメインでカスタマイズして提供するGoogle Apps for Your Domainや、「Google Checkout」などのサービスが新規の収入源として重要な役割を果たす可能性を示唆していた。Googleの既存サービスにJotSpotのWikiベースのサービスが統合されることになれば、Googleはユーザーに訴求する強力なオフィススイートサービスを保有することになる。
関連情報
■URL
Google公式ブログの該当記事(英文)
http://googleblog.blogspot.com/2006/10/spot-on.html
JotSpot(英文)
http://www.jot.com/
JotSpotによる買収のFAQ(英文)
http://www.jot.com/google/faq.html
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・ 米JotSpot、ExcelシートをWikiに変換するサービスのベータテスト(2006/01/10)
・ Office風の次世代Wiki「JotSpot 2.0」発表(2006/07/25)
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2006/11/01 11:41
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