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(上から)暗号化、復号化、履歴、バックアップ、ファイルの完全削除の各アイコン
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チエルは、学校市場向けの情報漏洩対策ソフト「WinKeeper CR」を2007年2月22日に発売する。価格は1ライセンス15,435円。Windows XP/2000に対応する。
チエルでは現在、システムリカバリソフト「WinKeeper」を販売しているが、これにファイルの暗号化機能を搭載したものが新製品のWinKeeper CRとなる。WinKeeperが学校のパソコン教室などのPCへの導入を想定したものだったのに対し、WinKeeper CRは、教職員のPCを対象としている。チエルによれば、学校現場の声を反映して、導入や利用方法を簡素化したのが特徴という。
具体的には、WinKeeper CRのアイコンへのファイルのドラッグ&ドロップによる暗号化や、指定したフォルダにコピーまたは保存したファイルの自動暗号化、暗号化前のファイルの完全削除などの機能を備える。
一方、ファイルの復号化は、WinKeeper CRをインストールしたPCであれば、パスワードの入力を求められることなく、復号化アイコンにドラッグ&ドロップするだけで行なえるようにした。これは、WinKeeper CRのインストール時に学校内や部署内において同一の暗号キーを配布することにより実現しており、認証サーバーを別途用意する必要はない。なお、暗号キーによる認証に加えて、さらに閲覧者を限定したい場合などには、パスワードを別途設定することも可能だという。
このほか、校内ネットワークの管理システム「InterMANAGER」と連携すれば、WinKeeper CRの導入端末における「Winny」などのプログラムのインストールや実行を制限する機能も利用できる。
チエルによれば、政府のIT戦略本部が7月に発表した「重点計画-2006」では、2010年度までに公立小・中・高等学校のすべての教員に対してPCを配備することになっており、Winnyなどによる情報流出事件が今後もますます増えることが予測されるという。チエルでは、今後配備される教員用PCでのWinKeeper CRの導入を見込んでおり、初年度54,000ライセンスの販売を目指す。
なお、文部科学省がまとめた3月末時点の調査によると、個人所有のPCを仕事上必要だとして学校で使うことがある教員が全教員の53.2%に上ったという。ファイル交換ソフトによる情報流出で報道されている事例のほとんどが、こうした私物PCを流出元としているだけに、学校では今後公費で配備するPCのほか、現在も多く稼働していると思われる私物PCでの対策も急がれるところだ。
【お詫びと訂正 20:45】
記事初出時、ファイルの復号化は「ダブルクリックなど通常のファイル操作だけで行なえる」と記述しておりましたが、「復号化アイコンにドラッグ&ドロップするだけで行なえる」の誤りです。お詫びして訂正いたします。
関連情報
■URL
ニュースリリース(PDF)
http://www.chieru.co.jp/news/download/WinKeeper5_press.pdf
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( 永沢 茂 )
2006/12/01 19:51
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