コンセントを利用した高速インターネット接続が可能な高速PLCに対し、アマチュア無線家など115名が記者会見を開催。高速PLCの型式指定取消や認可取消を求め、東京地方裁判所へ行政訴訟を起こすと発表した。
原告は総務省に対し、パナソニックコミュニケーションズのPLCアダプタ「PL-BA100」について、11月21日付で認可した型式指定の取り消しを要求。以降も2~30MHz帯を利用する高速PLC機器の認可や型式指定を行なわないなど、2~30MHz帯を利用した高速PLCの実用化そのものを認めないという考えだ。
訴訟物の価額は1億8,400万円で、訴訟費用は被告の負担を求める。原告の訴訟代理人は海渡雄一弁護士、只野靖弁護士、村上一也弁護士らが務める。
訴訟の理由としては、アマチュア無線はこれまで科学技術の発展に貢献しており、災害時や非常時などに極めて有効な通信手段になりうるという姿勢を示した上で、PLCの電波漏洩がアマチュア無線を妨害する恐れが極めて高いと主張。また、妨害の恐れはアマチュア無線だけでなく電波天文や短波ラジオなどにも及ぶとし、現状の技術ではPLC機器の製造・販売を禁ずる以外にアマチュア無線などの通信環境を維持する方法はないとしている。
原告では、こうしたPLCへの懸念はアマチュア無線家だけではないと主張。厚生労働省でも、医療機器とPLC機器を併用した際の安全対策措に対してPLC機器の購入者へ周知するようにとの行政指導を総務省へ求めたという経緯を説明。また、イーサネットや無線LANという屋内のネットワーク配線技術が確立されている現状、PLCを解禁する必要性や必然性がないともしている。
なお、訴状の内容は原告が開設したサイト上で8日にも公開される予定だ。
関連情報
■URL
高速電力線搬送通信PLC)導入に異議申し立て!(原告が開設したサイト)
http://home.b01.itscom.net/aoyama/ja1idy/PLC.htm
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( 甲斐祐樹 )
2006/12/07 20:22
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