ソフォスは22日、2006年1月~12月におけるマルウェアをホスティングしていたサーバーの国別集計を発表した。34.2%を米国で占めていたことがわかった。また、スパム送信国ワースト12もとりまとめ、最多送信国は米国で22.0%を占めた。
Webベースでマルウェアをホスティングしていた国別集計の2位以下は、中国31.0%、ロシア9.5%、オランダ4.7%、ウクライナ3.2%、フランス1.8%、台湾1.7%、ドイツ1.5%、香港1.0%、韓国0.9%の順。日本は約0.9%で11位だった。
スパム送信国ワースト12の2位以下は、中国(香港を含む)15.9%、韓国7.4%、フランス5.4%、スペイン5.1%、ポーランド4.5%、ブラジル3.5%、イタリア3.2%、ドイツ3.0%、イギリス1.9%、ロシア1.8%、台湾1.8%の順。なお、スパムの90%は、トロイの木馬やウイルスなどにより第三者から制御されたゾンビPCから配信されており、スパム送信者が必ずしも自国から配信しているわけではないとしている。
ソフォスでは、2006年を通じて従来型のスパイウェアが減少し、ダウンロード式のトロイの木馬が急増していることを指摘。2006年1月時点では、感染メール全体に占めるスパイウェアの割合は50.43%、トロイの木馬ダウンローダーを含むWebサイトへのリンクを含んだメールは40.32%だったが、12月にはスパイウェアが41.87%、トロイの木馬が51.24%と逆転したという。2007年もこの傾向が続いており、さらに高まると予測している。
同時に、世界的にメールゲートウェイのセキュリティ強化が図られる中で、攻撃者も方向を転じると指摘。2007年はメールを使った攻撃が減少し、Webコンテンツを使った脅威が増加すると予測している。なお、マルウェアに感染するWebサイトは実際に増加しており、ソフォスラボが新規で検知するサイトは1日平均で5,000件にも上るという。
このほかソフォスによると、地域によってマルウェアの傾向に違いがあるという。マルウェアの30%が中国で作成されているというが、そのほとんどがバックドアを開くトロイの木馬だという。また、中国で作成されたマルウェアの17%は、オンラインゲームのパスワードを盗むものだとしている。一方、マルウェアの14.2%はブラジルで作成されたものだが、そのほとんどはオンラインバンクから情報を盗む目的だとしている。
関連情報
■URL
ソフォス
http://www.sophos.co.jp/
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( 永沢 茂 )
2007/01/22 19:34
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