YouTubeユーザーの約3分の1がその結果としてテレビの視聴時間が減少していると回答していることが、米調査会社のHarris Interactiveの最新調査で明らかになった。YouTubeはテレビだけでなく、さまざまな活動の時間を奪いつつあるが、YouTubeのビジネスモデル自体も盤石ではないことがこの調査から見えてくる。
調査は2006年12月に18歳以上の米国人に対して行なわれ、そのうち363人が頻繁にYouTubeを利用するユーザーだった。それによると、米国の成人インターネット利用者の42%が「YouTubeで動画を視聴したことがある」、さらに14%は「YouTubeを頻繁に訪れる」と回答している。その上、YouTubeを頻繁に利用するユーザーの約3分の1にあたる32%は、このために「テレビを見る時間が減っている」と回答した。一方でYouTubeを頻繁に利用しているユーザーの73%は、YouTubeがもし広告を動画に挿入するとしたら利用率が下がると回答しており、YouTubeでの広告に拒否感があるという傾向も判明した。
YouTubeを利用した結果として活動時間が減少するのはテレビだけではない。調査によれば、ほかに減少した活動としては「他のWebサイトの利用」が36%、「メール、チャット、ブログなど」が20%、「仕事あるいは宿題」が19%、「ビデオゲーム」が15%、「友人や家族と会うこと」が12%、「DVDの視聴」が12%、「雑誌や新聞を読む」が11%、「電話で話す」が9%、「映画を見に行く」が7%だった。なお、「YouTubeで過ごす時間のために他のことをする時間を減らしているとは考えていない」と回答した人も34%いた。
また、「YouTubeがすべてのビデオクリップの前に短いコマーシャルを入れるとしたら、YouTubeを訪問する頻度に影響を与えますか」という質問に対して、YouTubeを利用する頻度が「とても減る」が31%、「少し減る」が42%、「変わらない」が21%となり、合計で73%のYouTubeユーザーに消極的な傾向が見られることがわかった。
このような質問を付け加えたことに関してHarris InteractiveのシニアリサーチマネジャーであるAongus Burke氏は「公平のために言えば、我々が知る限り、YouTubeは彼らのサイトの動画の前に短いコマーシャルを含めることを検討していると公に言ったことはない。しかしながら、我々はその極端に物事が進んだ場合にどんな抵抗があるのかを見たかったのだ。明らかにそれは非常に大きなものだった」とコメントしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.harrisinteractive.com/news/allnewsbydate.asp?NewsID=1168
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/01/30 11:58
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