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2006年の不正アクセス検挙数703件、前年比2.5倍で過去最多


 総務省は22日、2006年に警察庁に報告された不正アクセス行為の発生状況を公表した。それによれば、不正アクセス禁止法違反の検挙件数は、前年比の約2.5倍となる703件(うち5件は助長行為)で過去最多となった。検挙されたのは130人で、前年から14人増加した。

 犯行の手口としては、フィッシングサイトを開設してIDやパスワードなどの識別符号を入手したものが220件(前年は1件)、スパイウェアなどのプログラムを使用して識別符号を入手したものが197件(同33件)などが急増。また、ファイル交換ソフトや暴露ウイルスで流出した識別符号を利用する手口は、前年は0件だったが2006年には9件発生している。

 その一方で、高度な技術を持たずに実行できる手口も少なくない。利用者のパスワードの設定・管理の甘さにつけ込んだものが178件(同95件)、識別符号を知りうる立場にあった人によるものが49件(同33件)、識別符号を言葉巧みに聞き出したり、のぞき見たものが20件(同16件)だった。そのほか、セキュリティホールを悪用した攻撃は、前年には7件あったが2006年はなかった。


不正アクセスで悪用されたサービスはネットオークションが過半数

 不正アクセス行為で悪用されたサービスのうち、最も多かったのはインターネットオークションの394件で、全体の過半数を超えた。以下、オンラインゲームが223件、インターネットバンキングが38件、メールが21件、ホームページ公開サービスが7件と続いた。前年比では、オンラインゲーム(前年は42件)とインターネットオークション(同154件)が大幅な伸びを示した。

 不正アクセス禁止法違反に関わる被疑者と、識別符号を悪用された利用者の関係を見てみると、交友関係のない他人によるものが638件で最も多い。次いで、元交際相手や元従業員などの顔見知りによるものが50件、ネットワーク上だけの知り合いによるものが15件と続く。

 被疑者の年齢では、20歳代(44人)が最多で、10歳代(40人)が僅差で続いた。2004年以降では、10歳代の被疑者が3割前後を占めるという。以下は、30歳代(28人)、40歳代(15人)、50歳代(2人)、60歳代(1人)の順となっている。なお、最年少の被疑者は14歳、最年長は61歳だった。

 不正アクセス行為の動機としては、不正に金を得るため(419件)が、全体の6割を占めた。そのほか、オンラインゲームで不正操作を行なうため(211件)は、前年の25件から急増した。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.soumu.go.jp/s-news/2007/070222_3.html
  不正アクセス行為の発生状況(PDF)
  http://www.soumu.go.jp/s-news/2007/pdf/070222_3_1.pdf

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( 増田 覚 )
2007/02/22 19:57

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