英公共放送のBBCと動画共有サイトの米YouTubeは2日、両社が提携し、BBCのコンテンツをYouTubeで配信することで合意したと発表した。
この契約は非独占的なものであるため、今後BBCがYouTube以外の動画共有サイトと提携する余地が残されている。今回のYouTubeとの提携は、番組制作を行なうBBC本体と、BBCの価値を最大化するために設けられた完全子会社であるBBC Worldwideとの間で別々に行なわれた。
この提携によりBBCは、現在計画中のインターネットテレビサービス「BBC iPlayer」やBBC Worldwideが展開する有料放送に誘導することによって新しい視聴者層を獲得したり、利益を得たい考えだ。現時点で明らかになっているのは、BBCがYouTubeにいくつかのチャンネルを作り、そこで短い番組やニュースクリップを放送するということだ。
BBC本体からは新しい番組のクリップのほか、人気番組「Doctor Who」や「Life on Mars」などを宣伝するための短い番組が提供される。BBC Worldwideは、David Attenborough氏の番組など多くの人気番組の中からクリップを提供する。このBBC Worldwideチャンネルには、GoogleとYouTubeが開発した広告プラットフォームを利用した広告が挿入される。さらに有料放送のBBC Worldからは1日あたり30本程度のニュースクリップが提供される。これは英国外の利用者にのみ視聴できる予定だ。
今回の提携についてBBCのMark Thompson会長は「この提携はBBCの番組制作者が作った短い番組コンテンツのためのクリエイティブなアウトレットとなるのと同時に、視聴者の新しい行動形態について学ぶための機会となる。BBCがこのような非独占的提携関係によってより幅広い視聴者に新しい方法でリーチすることは必要不可欠なことである」とコメントしている。
関連情報
■URL
BBCのニュースリリース(英文)
http://www.bbc.co.uk/pressoffice/pressreleases/stories/2007/03_march/02/you_tube.shtml
YouTubeのニュースリリース(英文)
http://www.youtube.com/press_room_entry?entry=0VMEPAJuK7Y
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/03/05 12:28
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