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楽天の三木谷浩史社長
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楽天は17日、2007年度第1四半期(1月~3月)の連結決算を発表した。売上高は484億3,400万円(前年同期比7.2%減)、営業利益は61億6,800万円(同43.4%減)、純利益は21億6,600万円(同41.1%減)で、大幅に減益した。楽天KC、楽天クレジットの債権流動化や楽天証券の収益低下が影響した。
事業別の売上高では、EC事業が173億1,600万円(前年同期比36.1%増)、ポータル・メディア事業が36億6,400万円(同12.6%増)、トラベル事業が28億8,500万円(前年同期比24.1%増)、プロスポーツ事業が9億6,200万円(前年同期比36.9%増)で順調に推移。一方、クレジット・ペイメント事業が180億5,500万円(前年同期比19.9%減)、証券事業が79億2,100万円(前年同期比33.7%減)と伸び悩んだ。
クレジット・ペイメント事業については、2006年11月に行なったクレジット事業譲渡や引当の厳格化が影響。証券事業については、相場環境の変化や手数料引き下げが影響した。楽天の三木谷浩史代表取締役会長兼社長は、「楽天KCは短期間で大きな改革を行ない、経営システムの抜本的な入れ替えを行なった。楽天証券はデイトレーダー以外の広範なユーザーに向けたサービスを展開していく」と述べた。
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主要ビジネスユニット別業績
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グループ流通総額の推移
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楽天会員で2サービス以上の利用率と購入率
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楽天市場の退店数が減少
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● TBSとは、両社のシナジーを生かしてコンテンツ配信と広告収益を
決算発表では、TBSの株式追加取得についても説明が行なわれた。楽天は、現在の持株比率19.86%を20%超まで引き上げたい考え。これにより、TBSを楽天の持分法適用会社にする。TBSでは、敵対的買収に対する買収防衛策を発表し、楽天が「濫用的買収者」に該当するかどうかについて協議を行なっている。
三木谷社長は、「買収ではなく、持分法適用会社にしていただきたいということで先方に話しているし、プロセスにのっとって説明しているので、濫用的買収者に認定されることはないと信じている」と話す。また、「我々は1,000億円以上の資金を投資している。TBSの利益が260億円であれば、その20%の52億円が楽天の利益として計上される。株主に対する責任も考えた」という。
また、楽天とTBSが組む利点について、「次世代のコンテンツ配信と広告収益が可能になる」と説明する。「我々が得意なところはロングテールや情報のオンデマンド。TBSはマスに対して同時に情報を流せるところ。両者の強みを生かし、世界に通用するコンテンツを配信していきたい」とした。さらに、多様な広告展開を行なうことで、収益機会を増やす考え。「これからは、コンテンツに適した広告と、顧客属性に基づいた広告配信が重要になってくる。楽天グループは3,000万人以上の顧客データベースを持っている」と語った。
最後に三木谷社長は、「TBSとのことが上手くいかなくても、我々の方向性は変わらない。TBSだけでなく、他の放送局とも協力していきたい」と述べた。
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楽天のインターネット未来予測
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コンテンツ戦略
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マーケティング戦略
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コンテンツと広告の未来像
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両社が得意とするフィールド
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楽天の経営陣
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関連情報
■URL
投資家向け情報
http://www.rakuten.co.jp/info/ir/
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( 野津 誠 )
2007/05/17 21:43
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