3Dバーチャルワールド「Second Life」を運営する米Linden Labは21日、グラフィックステクノロジーを開発しているWindward Mark Interactiveから空や雲などの大気空間を描くためのレンダリング技術を買収したと発表した。
Linden Labが買収したのは、大気をレンダリングするための特許出願中の技術「WindLight」と雲の3Dシミュレータ「Nimble」、そしてこれらと関係のある知的財産権だ。また、同社の創業者5人はLinden Labに参加することになった。
WindLightは、空気中の塵や湿度、太陽光線、雲、水、天気などの雰囲気をリアルタイムにシミュレートできる。雲をシミュレートするためのNimbleも、物理モデルを使用してリアルな雲を表現する。
Linden Labはこれらの技術をSecond Lifeビューアに組み込み、GPLライセンスのもとでオープンソース化する。最新バージョンのビューアは、Windows版がこの発表にあわせて公開され、Mac OS版も近いうちに公開予定だ。
最新バージョンのビューアによって、Second Life内の資産が影響を受けることはない。空を美しく描くためのテクノロジーが組み込まれたことによって、空の色などを調整するために、さまざまな数値を変えられるオプションが追加された。また、日の出から日の入りまで1日の変化を楽しむことができるが、4時間に設定されている1日のサイクルを変更することも可能だ。Linden Labではこの技術をもとに、雲の陰や月の光などの機能を追加し、今後もますます発展させていく計画だという。
なお、Windward Mark Interactiveはオンラインゲーム「Alliance」を開発しているが、このゲームは今回の買収対象となっておらず、今後も別に運営される。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://lindenlab.com/press/releases/05_21_07
Second Life公式ブログの該当記事(英文)
http://blog.secondlife.com/2007/05/21/windlight-atmospheric-rendering-comes-to-second-life/
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/05/22 13:09
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