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トレンドマイクロ日本代表の大三川彰彦氏
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ウイルス解析者の岡本勝之氏
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トレンドマイクロは6日、ウイルスの検体を一般から募集する「ウイルスハンタープロジェクト」の表彰式を開催した。受賞者は9人で、2,431件の新種ウイルスを発見した。
今回のウイルスハンタープロジェクトは、2006年6月1日から2007年5月末日まで実施し、検体を数多く提供した個人を表彰した。受賞者は9人で、2,431件の新種ウイルスを発見。2006年の15人(団体含む)、467件から大幅に増加した。
新種ウイルス発見の増加について、トレンドマイクロのウイルス解析者である岡本勝之氏は、「Web上の脅威の変化」を挙げた。「愉快犯から金銭目的になったことで、より効果的な攻撃をするようになった」と説明。ダウンローダーを使いウイルスが自らを更新するため、新種の発生頻度が上がったという。
表彰式には、受賞対象者のうち男性2人が参加した。1人は、オンラインゲームのアカウントクラッキングに絞って収集しており、140件の新種を発見。「これだけの数を収集していたことに自分でも驚いた」と述べた。もう1人は、ハニーポットを使って友人と一緒に収集し、101件の新種を発見。この日は、新たに収集した検体も持参していた。
トレンドマイクロによると、ウイルスハンターに応募するユーザーは、年齢や職業もさまざま。検体収集に費やす時間も1日数十分から1時間程度とユーザーによって異なる。今回の受賞者の中には、1人で1,000件以上の新種を発見したユーザーもいるという。受賞条件としては、検体を数多く提供したこと以外にも、トレンドマイクロが入手したかった重要な検体を提供したことなどが加味される。
岡本氏は、「日本でもリージョナルトレンドラボができたことで、サンプルの収集はユーザーよりも早くなっているが、すべてを発見することは不可能。ウイルスハンターの協力は大きい」とした。また、ウイルスハンターへのアドバイスとして、「ミイラ取りがミイラにならないよう、まず自分の安全を第一に考えてほしい」と述べた。このほか岡本氏は、検体の提供からパターンファイルを作るまでの工程を解説した。
トレンドマイクロ日本代表の大三川彰彦氏は、「地域独自の脅威に迅速に対抗するため日本にもリージョナルトレンドラボを開設した。リージョナルトレンドラボが中心になって、ハンターの皆様にも協力いただき、脅威から事前にユーザーを守れるような情報収集の場にしていきたい」とコメント。「今回は2,431件もパターンファイルに反映できた。本当にありがとうございました。今後も3年、4年と連続して協力していただきたい」とした。
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表彰式の模様。記念品が進呈された
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記念品には、ハンターが発見した新種ウイルス名が刻まれている
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関連情報
■URL
ウイルスハンタープロジェクト
http://www.trendmicro.com/jp/security/virushunter.htm
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・ トレンドマイクロ、ウイルス検体を提供した一般ユーザーを表彰(2006/07/10)
( 野津 誠 )
2007/07/09 15:11
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