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EU、通信市場の単一化に向けて提言


 欧州連合(EU)の情報通信担当委員であるViviane Reding氏は11日、ギリシア・アテネで開催された欧州の通信業者グループの会合に出席し、通信市場および規制の単一化に関して、EUはその経済効果が計りしれないとして歓迎する立場であることを示した。

 この会合は、欧州各国の通信規制当局の担当者が参加するものだが、歴史的にはEUの委員は出席していなかったという。今回EUが参加した理由は、今後、規制当局の担当者との連絡を密にすることによって欧州の通信市場の単一化を推し進めることを容易にする狙いがあるものとされる。

 欧州委員会でも現在、11月13日に予定されている域内の通信関連規則の改定作業に関する会議に向けて、そのフレームワーク作りの真っ最中だという。各国の規制当局の担当者との連絡を取ることで、委員会で採択された規則の改定がスムーズに加盟各国で施行されることが期待される。

 今回の会合で共通認識として挙がってきたのは、正当な競争環境が整備されていないというもの。旧国営企業による従前の独占状態から生じる弊害がいまだ残存するという。他方で、18のマーケットのうち50%は、もはや強力な規制は必要なくなっているとの認識が示された。たとえば、スウェーデンやデンマークでは規制はもはや不要となっている反面、ギリシア、アイルランド、ポーランド、スロベニアなどではまだまだ強力な規制が必要という。

 究極の目的としては、EUの域内の通信市場の統一化・単一化によって経済の活性化や他国に対する優位性を示すことができるとの認識が示され、欧州版FCCなどの統一的規制当局などの構想も紹介された。


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URL
  ニュースリリース(英文)
  http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=SPEECH/07/624&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en

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( Gana Hiyoshi )
2007/10/15 15:03

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