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受賞者と審査員一同
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ヤフーは9日、「Yahoo! JAPAN インターネット クリエイティブアワード2007」の受賞作品を発表。都内で贈賞式を開催した。広告主の部では、クライスラー日本の「ジープ・パトリオット発売告知」がグランプリを受賞した。
インターネット クリエイティブアワード2007は、インターネット上のでクリエイティブ表現に注目し、優秀な企画やクリエイターを顕彰することで、インターネットの発展に寄与することを目的としたコンテスト。2006年から開始され、今回が2回目となる。
贈賞式冒頭、ヤフーの井上雅博代表取締役社長は、「インターネットはクリエイティブという面では、既存のマスメディアに比べて成長の余地が多くある。これからも引き続き実施していきたい。広告においては、より消費者に良い印象を持ってもらうためのクリエイティブ、また、インターネットならではのクリエイティブが出てくることを期待している」とコメントした。
インターネット クリエイティブアワード2007は、個人またはグループによるオリジナル作品を対象にした「一般の部」、広告主から発注を受け制作した作品を対象にした「クラインアントワークの部」、Yahoo! JAPANに掲載された広告を対象にした「広告主の部」がある。今回の応募総数は581作品で、内訳は一般の部265作品、クラインアントワークの部85作品、広告主の部231作品となっている。一般投票および審査員によって15の賞が決定した。
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ヤフーの井上雅博代表取締役社長
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応募数と受賞数
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● 一般の部はグランプリ該当作品なし
一般の部は「自由テーマ部門」と「テーマ部門」にわかれ、その中で最も優秀とされた作品が「グランプリ」となる。今回、グランプリ該当作品はなかった。このほか、クリエイターの育成に注力した団体を表彰する「コンストラクターズ賞」があり、デジタルハリウッドが受賞した。
自由テーマ部門のインタラクティブ作品では、パラパラマンガを印刷できるWebサイト「paraparanimation」(作者:銀座大将屋)が入賞した。同サイトは、複数枚の資料を印刷する際、用紙の端にパラパラマンガを挿入できるというものだ。また、ノンインタラクティブ作品では、3DCGアニメーション「うさぎのしっぽ」(作者:河野大輔)が入賞した。
テーマ部門では、社団法人公共広告機構によるテーマ「親と子のコミュニケーション」に基づいた作品を募集した。インタラクティブ作品では、親の無関心さに傷つけられる子供を描いた「かえりみち」(作者:高田優子)が入賞した。かえりみちは、一般ユーザーからの最多投票数で選ばれるテーマ部門特別賞も受賞している。ノンインタラクティブの入賞該当作品はなかった。
コンテストの審査員であるクリエイティブディレクターの福田敏也氏は。一般の部の総評として、「paraparanimationは着想のユニークさが評価された。また、かえりみちは各サムネイルからすべてのシーンを見ることで、全体のストーリーが見渡せるインターフェイスがユニークだった。グランプリはなかったが、優秀な作品がなかったわけではなく、今年を象徴するような、一般の部を代表するような作品がなかったため。来年以降、審査員が思いもしない驚くような作品がエントリーされることを期待したい」とコメントした。
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paraparanimation
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かえりみち
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かえりみち作者の高田優子さん
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トリプルセブン・インタラクティブ代表取締役の福田敏也クリエイティブディレクター
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● 広告主の部ではジープの広告がグランプリ
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広告主の部グランプリを受賞したクライスラー日本のスタッフ。BIG IDEA CHAIRに座った写真はヤフーのロビーに1年間飾られるという
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クライアントワークの部は「電通CR&P塾2007」のサイトが受賞した。同サイトでは、自分の考えたキャッチコピーが世の中に出る過程を動画でシミュレーションできる。電通ならではのアイデアが評価された。
広告主の部のグランプリは、クライスラー日本の「ジープ・パトリオット発売告知」バナーが受賞した。バナー内に描かれた線をユーザーが動かすことで、ジープが走り出すという作品だ。グランプリには、米Yahooがスポンサーをするアメリカの広告賞で受賞者が座るという椅子「BIG IDEA CHAIR」が贈られた。
また、クリエイティブ賞の金賞には、ゲーム性のあるバナー広告「Close UP Yahoo!」(本田技研工業)、銀賞にはアニメ「FREEDOM」プロジェクト(日清食品)、銅賞には日産自動車「DUALIS」の動画広告が選ばれた。このほか、Yahoo! JAPAN奨励賞に映画「トランスフォーマー」のフローティング広告(UNITED INTERNATIONAL PICTURES FAR EAST)、特別賞に空撮映像から物件を紹介するインタラクティブバナー(野村不動産)が選ばれた。
審査員であるGT INC.の内山光司クリエイティブディレクターは、広告主の部の総評として、「バナー広告はサイトに誘導することが本来の目的であり、普通は通り過ぎるもの。入賞作品は、通り過ぎるだけでなくエンターテイメントを提供し、ユーザーを楽しませているところが評価された」と述べた。
コンテスト全体の総評としては、「最終審査では闊達な議論が繰り返され、悩みながらも楽しい審査ができた。ただ伝えるだけでなく、ユーザーにとっても楽しい経験をさせるところがインターネットならではだと思う。一般部門のグランプリはなかったが、総合的には1回目を上回った作品が多かった。ただ、2回目となると、圧倒的に前回を超えていなければいけない。次回は、グランプリを目指してさらに面白いものを作ってもらいたい」とした。
なお、受賞作品の詳細および贈賞式の模様は、インターネット クリエイティブアワード2007の特設サイトで11月中旬より公開される。
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ジープ・パトリオット発売告知バナー
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電通CR&P塾2007のサイト
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クリエイティブ賞金賞を受賞した本田技研工業のスタッフ
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GT INC.の内山光司クリエイティブディレクター
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関連情報
■URL
Yahoo! JAPAN インターネット クリエイティブアワード2007
http://creative-award.yahoo.co.jp/
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・ ヤフー、「インターネット クリエイティブアワード2006」発表(2006/11/13)
( 野津 誠 )
2007/11/09 21:05
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