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2008年春めどに「楽天市場」が海外進出~三木谷社長が決算発表会で


三木谷浩史代表取締役会長兼社長

2007年第3四半期の連結決算概要
 楽天は15日、2007年第3四半期(2007年7月~9月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比9.0%増の520億8,000万円。営業利益は64億9,000万円、経常利益は63億7,000万円、純利益は377億6,000万円。利益ベースでは、金融関連事業の事業再構築が進み、クレジット事業譲渡に伴う損失で赤字だった前年同期から黒字に転じた。

 会見では三木谷浩史代表取締役会長兼社長が、「楽天市場」を2008年春頃に海外展開する考えを示した。「税金や取扱品目などの違いに関するリサーチを含め、システムを世界対応にするために、私がリーダーシップをとって準備を進めている」。詳細は未定だが、2008年中には2~3カ国で楽天市場を立ち上げる予定だという。

 事業別の売上では、楽天市場を主力とするEC事業が181億9,000万円(前年同期比28.2%増)、トラベル事業が37億8,000万円(同25.1%増)、ポータル・メディア事業が33億9,000万円(同7.6%)と成長を継続。証券事業は83億4,000万円(同1.0%増)、クレジット・ペイメント事業は178億9,000万円(同2.8%減)、プロスポーツ事業は30億1,000万円(同13.8%増)だった。

 2007年第3四半期のトピックとしては、金融関連事業が前年の赤字から大きく改善したことが挙げられる。特に、カード事業やファイナンス事業を手がける楽天KCでは、与信強化・管理回収の安定により貸倒費用を圧縮したほか、人件費や通信費など経費削減を進めた結果、純利益は2億円で、前年同期(327億円の赤字)から大幅に改善した。

 ポータル・メディア事業に関しては、ユーザーの購買・視聴履歴と広告を結びつけるシステムを急ピッチで開発しているという。「これまでは、ページビューが伸びているブログやコミュニティサービスにおいて、よりターゲティングされた広告を配信するプラットフォームがなかった。楽天の強みである購買履歴と視聴履歴のデータベースを上手く活用すれば、ユニークで競争力の高い広告が展開できる」(三木谷社長)。

 また、モバイル検索サービスでは、ノルウェーのFast Search & Transfer社との合弁会社「楽天・ファスト・モバイルサーチ株式会社」を設立しているが、「モバイル検索ではGoogleを含めて良くないと考えている。Fastと共同で開発を進めることで、モバイル検索分野ではまだまだいけるのでは」と意気込みを示した。

 そのほか、TBS株の保有状況については、國重惇史代表取締役副社長執行役員が「特別委員会で21%まで(TBS株式を)持って良いという結論が出てから気が抜けた状態。特にその後は進捗していない」と説明。今後の方針については、「株価に影響を影響がある」として言及を避けた。


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( 増田 覚 )
2007/11/15 18:12

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