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「GyaO」でSilverlight対応の動画配信を開始


Mac上で表示したGyaO×Silverlight
 USENの「GyaO」は19日、マイクロソフトのWebブラウザ用プラグイン「Silverlight」で再生できる動画配信を開始した。現在、映画の予告編を配信している。

 Silverlightは、マイクロソフトがFlash対抗技術として開発したプラグインで、WindowsだけでなくMac OSやLinuxにも対応し、FirefoxやSafariなどのブラウザでも動作するクロスプラットフォーム環境が特徴となっている。

 マイクロソフトは、9月に開催されたWeb開発者向けイベント「REMIX 07 TOKYO」で、Silverlightを採用するサイトの1つとして、GyaOを発表した。今回、GyaOではSilverlight特設サイトをオープンし、映画5作品の予告編を配信している。

 配信中の予告編は、USENのグループ企業「GAGA USEN」配給作品で、「ライラの冒険」「俺たちフィギュアスケーター」「ミスター・ロンリー」「ランボー 最後の戦場」「earth」。各作品とも、動画配信にあわせて映画公式サイトへのリンクも用意する。

 USENの宇野康秀代表取締役社長は、「GyaOやShowTimeをはじめとする弊社の映像・コンテンツ事業では、配信に際して、Windows Mediaフォーマットを採用している。Silverlightのメリットとして、動画を配信するインターフェイスを自由にデザインできる、Macユーザーに配信できるといった点が挙げられるが、一方で、これまでに蓄積された膨大なWindows Mediaファイルを別フォーマットに変換する、あるいは配信サーバーを変更する必要がないといった点は運営側から見た場合は見逃せない魅力」とコメントしている。


DRMに対応し、普及率が上がれば他番組の配信も検討

マイクロソフト デベロッパービジネス本部の春日井良隆シニアプロダクトマネージャー

USEN GyaO事業本部の高野輝次Web制作部長
 マイクロソフトとUSENは、「GyaO×Silverlight」の開始に伴い、記者説明会を開催。サービスの説明やSilverlightの採用メリットを説明した。

 マイクロソフト デベロッパービジネス本部の春日井良隆シニアプロダクトマネージャーは、REMIX 07に触れ、Silverlightに関するセッションが好評だったと振り返った。また、Silverlightコンテンツの配信に特化したホスティングスペース「Silverlight Streaming」の説明も行なった。

 Silverlight Streamingでは、Live IDを取得することで、1ファイル22MB、トータル4GBのスペースを無償提供する。最大ビットレートは700kbpsで、月10万回まで無料再生可能だ(現在は英語サイトのみ)。さらに、Silverlight Streamingにアップロード可能なプラグイン「Silverlight Streaming Publishing Plug-In for Expression Encoder」も提供する。

 Silverlight Streaming Publishing Plug-In for Expression Encoderは、マイクロソフトのサイト構築製品群「Expression」シリーズのデジタル管理ツール「Expression Media」で提供されているビデオエンコーダー「Expression Encoder」用のプラグイン(現在は英語版のみ)。Silverlight Streamingで配信可能なフォーマットに変換し、アップロードできるほか、動画をブログなどへの貼り付けが可能なHTMLタグを生成できる。

 USEN GyaO事業本部の高野輝次Web制作部長は、「GyaOのカスタマーサポートで受ける項目のうち最も多いのが、Macでも視聴したいということ」だと話す。GyaOに対応していないMacユーザーを取りこぼしていたことが課題だったとし、「見過ごしていたわけではない。今後、視聴者の規模を広げていく上でも、このままではいけいないと考えていた」と語った。Macユーザーが多い音楽制作者など、コンテンツホルダーからもMac対応を希望する声が多かったという。

 また、「実は、内々でQuickTimeによる配信も実験していたが、動画CMの許諾やプレイリストの作成がうまくいかなかった」ことも述べた。Silverlightの利点については、「現在ある動画資産を活用できること」「DRMに今後対応すること」を挙げる。「Silverlight 1.1でDRM対応になることを待っている。さらに、普及率が上がれば、GyaOのその他の番組も段階的にSilverlightで配信したい」とのことだ。なお、マイクロソフトによれば、Silverlight 1.1のリリースは2008年前半を予定する。

 このほか、高野氏は、Silverlightコンテンツの制作環境についても、さらなる改善を希望する。「Flashはスクリプトが強化され、データベースと連携できるようになってから、現場レベルでの利用が可能になった。Silverlightもなるべく早い段階で、リッチコンテンツができるだけでなく、運用面も強化してくれると嬉しい」とした。また、現状ではSilverlightコンテンツを制作する際、デザインとプログラムを分担して制作しているという。「デザイナー1人で制作するには難しい。ナレッジも充実させてほしい」と指摘した。


世界各国のSilverlight採用サイト。日本ではサイト実例第1弾がREMIX 07で、動画配信実例第1弾がGyaO Silverlight Streamingの概要 Silverlight Streamingのトップページ

Silverlight Streaming Publishing Plug-In for Expression Encoderの概要 ツールの画面 ブログでの表示例

関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3275
  GyaO Silverlightサイト
  http://www.gyao.jp/gaga/

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( 野津 誠 )
2007/11/19 17:58

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