米Googleは11月30日、米国連邦通信委員会(FCC)が開催する700MHz周波数帯オークションに入札することを発表した。携帯電話事業に参入する意思があることを明確に表明したことになる。
米国では、デジタルテレビへの移行によってアナログテレビ放送が停波することに伴い、そこで使用されていた700MHz帯がオークションにかけられることになっている。この周波数帯は次世代携帯電話に使用することができ、Googleだけでなく、米国の大手携帯電話事業者や通信会社も入札すると考えられている。
オークションは2008年1月24日に始まる。Googleはこの周波数帯のうち、特にCブロックと呼ばれる部分に入札することを明らかにした。Cブロックの最低入札価格は46億ドルとなっている。
2007年初めにGoogleや消費者団体などがFCCに働きかけた結果、この700MHz帯の利用方法に規制が加えられた。それは、この周波数帯を落札した事業者は、携帯端末にダウンロードするソフトウェアに規制をかけてはならず、どのようなソフトウェアアプリケーションでも実行できなければならないというものだ。
このような新たな規則が課される周波数帯に入札することに関して、Googleの会長兼CEOであるEric Schmidt氏は「我々は、我々の原理に沿うところに資金を投入することが重要だと考えている」とコメントしている。
オークションは、手続き全体を公平かつ公正に行なうために、入札手続きは電子的に、かつ匿名で行なわれる。手続きはいくつかのラウンドに分かれ、複雑な手順を経た後、2008年3月頃に終了すると考えられている。この入札に参加するための書類は2007年12月3日が締切日となっており、オークションのルールが損なわれることがないよう、それ以降はGoogleだけでなく、他の参加者すべてが入札戦略などオークションに関係する事柄についてコメントすることを禁じられている。Googleがこの件についてコメントするのもこれが最後となる。
Googleは11月に携帯端末プラットフォーム「Android」を発表しているだけでなく、既に携帯電話から利用できる検索サービスや地図サービスなどを幅広く提供している。今回700MHz帯オークションに入札することは、同社が携帯電話事業に関して垂直統合的ビジネスモデルを有していることを示している。今後は、携帯電話事業に経験のないGoogleが、全米規模の携帯電話網を構築できるのか、また、それは既存の携帯電話網と異なるネットワークになるのかなどに注目が集まりそうだ。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.google.com/intl/en/press/pressrel/fccspectrum_20071130.html
Google公式ブログの該当記事(英文)
http://googleblog.blogspot.com/2007/11/whos-going-to-win-spectrum-auction.html
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/12/03 12:13
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