米Facebookの創業者で現CEOのMark Zuckerberg氏は5日、同社のソーシャル的広告機能「Beacon」が巻き起こした騒動について、謝罪する文書を同社公式ブログに投稿した。
この中でZuckerberg氏は、「我々はこの機能を構築する時に多くの間違いを犯し、それを取り扱う時にさらに多くの間違いを犯してしまった。我々はこのリリースにおいて質の低い仕事をしたというほかはなく、私はこのことについて謝罪する」ときわめて率直にコメントした。
Beacon機能を採用したWebサイトをFacebookのユーザーが訪れ、商品を購入するなどのアクションを起こすと、Facebookの友人にそのことが最新ニュースとして通知することができる。この機能は友人関係をマーケティングに利用できる有用な道具として11月6日に登場した。
Beacon機能は当初、すべての人がデフォルトで使用することになっており、使用したくない人が申告しなければならないという、いわゆるオプトアウト制を採用していた。同社ではシンプルな仕組みにするためにこの方式を選んだとされるが、このことがプライバシー団体やFacebookのユーザーから大きな反発を招いた。その結果、Facebookでは11月30日になって、Beaconを採用しているWebサイトを訪れるたびに、友人にそのことを通知するかどうかを確認するオプトイン制へとシステムを変更した。しかしこの変更によっても、毎回通知確認を求められるわずらわしさが批判されていた。
こうした批判を多く受けてZuckerberg氏は、Beacon機能そのものを使用しないよう設定できるようにしたことを発表した。設定画面からBeacon機能をオフにすれば、どのサイトでアクションを起こしたかといった情報を誰とも共有しなくて済み、Facebook側もBeaconパートナーサイトでのアクションを一切保存しないと説明している。
批判を受けてBeacon機能に関して後退を比較的速やかに決定し、CEO自らが謝罪したことでコミュニティがどのように反応するかが注目される。特にSNS界は厳しい競争の中にあるため、なおさらのことだ。今回の騒動は、1つのメディアとして台頭しつつあるSNSを広告露出の場としてどのように利用すべきか、多くの関係者に教訓を与えることになった。
関連情報
■URL
Facebook公式ブログの該当記事(英文)
http://blog.facebook.com/blog.php?post=7584397130
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/12/06 13:07
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