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米国のフィッシング詐欺被害総額、2007年だけで32億ドルに


 2007年に発生したフィッシング詐欺による被害総額は、米国だけで32億ドルに上るとの調査結果を、米調査会社のGartnerが17日付で発表した。被害者数も被害総額も昨年に比べて増加しており、一刻も早い対策が求められている。

 調査は2007年8月、米国在住のインターネット利用者4,500人以上を対象に行なわれた。それによると、2006年9月から2007年8月までの12カ月間にフィッシング詐欺に遭った被害者の数は360万人で、昨年度の230万人から増加。さらにフィッシング詐欺の成功率も、2.3%から3.3%と1ポイントも増加してしまった。

 しかし、わずかながら良いニュースもある。1件あたりの被害額は、昨年度の1,244ドルから886ドルへと減少していた。しかし、被害者数が昨年度よりも大幅に増加したために、フィッシング詐欺の被害総額は大幅に増える結果に終わった。

 フィッシング詐欺に狙われた決済手段は、最近ではデビットカードや銀行口座に集中している。これは、クレジットカードよりも詐欺を防ぐための仕組みが弱いことに起因すると考えられる。被害者が使用した決済手段を複数回答で尋ねたところ、47%がデビットカードまたはチェックカード、32%がクレジットカード、24%が銀行口座を挙げた。

 フィッシング詐欺に悪用されるブランドは、eBayとPayPalが依然として最も多いが、犯罪者はこれ以外にもメールによるグリーティングカード、チャリティー、海外企業を使用したソーシャルエンジニアリング的攻撃を仕掛け続けている。

 調査にあたったGartnerでは、この犯罪ビジネスが儲かるために、フィッシング詐欺やその他マルウェアによる攻撃は2008年度も増加し続けると考えている。こうした攻撃を防ぐために、フィッシング詐欺メールがユーザーの手元に届かないようにすること、そのためには対策をとるメールサービスプロバイダーの側に何らかのインセンティブが必要だとGartnerでは指摘する。また、企業の側でも、自社ブランドがフィッシング詐欺に悪用されたり、自社顧客がフィッシング詐欺の被害に遭うことがないよう必要なソリューションを導入する必要性を訴えている。


関連情報

URL
  ニュースリリース(英文)
  http://www.gartner.com/it/page.jsp?id=565125

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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/12/18 12:18

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