「明鏡国語辞典」を発行する大修館書店は、国語辞典に載せたい言葉や意味、例文を中高生から募集した「第2回『もっと明鏡』大賞 みんなで作ろう国語辞典!」キャンペーンの結果を発表した。
キャンペーンでは、主に全国の中学校と高校を通じて作品を募集。382校から44,045件が集まった。12月10日付で、大賞70作品、優秀賞200作品、佳作1,730作品などが発表された。大賞のうち、最優秀作品賞には「神」「土星本能」「半瞬」「貧格」など10作品が選出された。
このうちインターネット関連では「幕の内(メール)」がある。「幕の内弁当のように内容がたくさんあるメール」の意味で、「あの人のメールはいつも幕の内だ」のように使われるという。これが転じて、「校長先生の話は幕の内だね」というように、最終的に何を言いたいのかわからないことのたとえなど、あまりいい意味には使われないようだとしている。
「神」は、「すごいこと。すばらしいこと」の意味のほか、「他人の目などを気にせずに、バカげたことをして笑わせた人」に対して使われることもある。また、ネット上では強調するために、カタカタの「ネ」に、漢字の「申」と書くこともあるとしている。
このほか、大賞に入った作品でインターネット/通信関連では、折り返し電話するという意味の「折電」、2ちゃんねるなどのユーザーを意味する「住人」、Webサイト間を移動するという意味の「飛ぶ」が入っている。また、佳作の中には、ウィルコムのPHSで電話するという意味の「コムる」もある。
キャンペーン事務局によるお薦めの傑作選としては、「(好きじゃないから)トキメかない」ことを表わす「アンテナ立たねぇ」、「学校のコンセントで携帯電話などの充電をすること」を表わす「電気ドロボー」、「可愛い人が変顔をした時に、キモいけど逆に萌えること」を表わす「き萌え」などが挙がっている。
なお、応募数によるランキング「見出し語ベスト100」もとりまとめており、1位は1,317通の応募があった「KY(空気読めない)」だった。10位には「ギザ」がランクインしたほか、100位までの中には「ツンデレ」「萌え」「w、(笑)、ワラ」「腐女子」なども入っている。
大修館書店では、今回の作品を集めた書籍を2008年4~5月に刊行する予定だ。また、「KY」のほかにも「JK」「HK」「PK」「NKGK」など、ローマ字略語が目立ったという。ローマ字略語だけを集めた書籍を、先行して2月にも刊行する予定だ。
関連情報
■URL
第2回「もっと明鏡」大賞 みんなで作ろう国語辞典!
http://www.taishukan.co.jp/meikyo_campaign2/happyo/can2_top.html
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( 永沢 茂 )
2007/12/18 16:48
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