イー・アクセスは23日、アッカ・ネットワークスに対して現経営陣の退任を求める提案を行なった件について、記者説明会を開催した。イー・アクセスの千本倖生取締役会長は、「提案はあくまでも企業価値・株主価値の向上が目的だ」として、イー・アクセスとの協業や経営統合が目的ではないと説明。経営陣の刷新を求めているのもそのための手段であり、他に良い提案があれば必ずしも今回の提案にはこだわらないとした。
● 千本氏「提案はあくまで株主価値向上。株価が上がらなければ4人はクビ」
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イー・アクセスの千本倖生取締役会長
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千本氏は、イー・アクセスはアッカの約13%の株式を保有している筆頭株主であり、アッカの株価が下落しているという状況は見過ごすことができず、何らかの策を講じる必要があるため、今回の提案を行なったと説明。現経営陣が結果を出していない以上、刷新を求めるのが最善の策だと考えているとした。
イー・アクセスでは、アッカに対して社長の木村正治氏など現任取締役3人の退任と、イー・アクセス側から4人の取締役の新任、3人の社外取締役の再任を提案。現在、提案内容と提案への委任状をWebに掲載し、アッカの株主に対して提案への委任を呼びかけている。
千本氏は、この提案はあくまでもアッカ単体の経営改善が目的であり、イー・アクセスが取締役への選任を求めている4人はいずれもADSL事業のプロで、必ず経営は改善できると説明。また、「4人というのは多すぎるという意見もあるかもしれないが、経営刷新を求める以上、はっきりとした形にしなくては改善はできない」とコメント。「言い方を変えれば、1年経っても株価が上がらなければ、この4人はクビだと言うこと」と述べ、アッカの経営改善に取り組む決意を示した。
また、一部報道ではアッカ側が「唐突な提案」とコメントしたとされていることについて、「我々は過去3年間、アッカの経営陣に対して様々な形で協調を呼びかけてきたが、実らなかった。唐突というのは適切ではないと考えている」とコメント。提案がこの時期になったのは、「アッカの株主総会のタイミングを考えると、あれがぎりぎりの日程だったため」と説明した。
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イー・アクセスの提案内容
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企業価値・株主価値の向上が目的であり、経営統合が前提・目的ではないと説明
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● 経営統合などは現段階では否定、「他に良い提案があれば賛同したい」
千本氏は今回の提案後の反応について、「世界の株価が下落する中、アッカの株価は上昇しており、多くの個人株主からも激励の手紙やメールを受け取っている」として、提案は好意的に受け止められていると説明。また、既に提案に対する委任状も届き始めており、今週末までには1,000株分程度の委任状が集まるという見通しを示した。また、三井物産やNTTコミュニケーションズなど、アッカの大株主に対しても連絡しており、提案についての賛否は現時点では受け取っていないが、株主価値を向上させたいというのは株主共通の認識であるはずだとした。
また、千本氏は「今回の件をプロキシファイト(委任状争奪戦)と報じたところもあったが、現時点では対案は出ておらず、敵対する相手はいない。今の時点ではプロキシファイトではなく、我々の提案に対する信任投票のようなものだ」と説明。アッカに対しては株主名簿の閲覧を請求したことを明らかにし、株主への呼びかけや委任状の提出者の確認などを行なっていきたいとした。
質疑応答では、「WiMAXの免許が得られなかった段階で、アッカの株に見切りを付けて売るという選択肢は無かったのか」という質問に対して、千本氏は「WiMAXが価値を上げるかどうかはわからない。免許を得たKDDIの株価もそれで上がったりはしていない」とコメントし、WiMAXの件とは無関係だとした。
イー・アクセスのエリック・ガン取締役は、「WiMAXの件では、むしろ心配していたのは資金調達の方法。アッカの経営陣には、株主に迷惑にならないような調達方法をお願いしていたが、実際には株主にとって最悪の手段であるMSCB(転換価格修正条項付き転換社債)という手法を選択した」とコメント。免許が得られなかったためMSCBはキャンセルされたが、「こうした手法を選んだことについても、アッカの現経営陣には不信感がある」と述べた。
また、これまでにアッカの株を買った理由については、「アッカの利益率はイー・アクセスよりも低い状況にあったが、今後改善されるだろうと考えていた。従って、アッカの株価は安く買い時だと考えていたが、それは失敗だった」と説明。経営陣を刷新しなければ改善されないと判断し、今回の提案に至ったとした。
千本氏は、「あくまでも筆頭株主として、企業価値・株主価値の向上を目的とした提案だ」として、経営統合などは現時点で考えていないと強調。今回の提案はイー・アクセスとしては最善と考えているとしたが、「他に良い提案があるならばぜひ賛同したい。経営陣を送り込むことにもこだわっていない。むしろ、我々の人材を送り込まずに株価が上がるなら、こんなに嬉しいことはない」とコメントした。
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提案後、アッカの株価は上昇
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株主の権利として経営刷新を提案したものだと説明
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関連情報
■URL
株式会社アッカ・ネットワークス株主の皆様へ(イー・アクセス)
http://www.eaccess.net/company/20080116/index.html
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( 三柳英樹 )
2008/01/23 18:36
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