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「原田ウイルス」が表示する画面の例
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情報処理推進機構(IPA)は4日、2008年1月のコンピュータウイルス・不正アクセスに関する届出状況を公表した。IPAでは1月の注意喚起として、いわゆる「原田ウイルス」の特徴や対処法などを解説し、ユーザーに怪しいファイルを開かないよう呼びかけている。
1月のウイルスの検出数は約31万個、届出件数は2,046件で、2007年12月の約34万個・2,239件からいずれも減少した。1月の不正アクセスの届出は8件で、そのうち被害のあった件数は7件。1月の相談総件数は408件で、そのうちワンクリック不正請求に関する相談が28件、Winnyに関する相談が17件、セキュリティ対策ソフトの押し売り行為に関する相談が10件などとなっている。
IPAでは、1月には原田ウイルスを作成した容疑者が逮捕されたというニュースを受けて、多数の相談や問い合わせが寄せられたとして、原田ウイルスの特徴や対処法を解説。原田ウイルスは、ファイルの見た目を偽装することでユーザーにダブルクリックさせようとする手法を用いていることから、怪しいファイルを見分ける方法について説明している。
原田ウイルスの特徴としては、有名なアニメーションのタイトルやキャラクターの名前を含むファイル名の映像ファイルに見せかけていることが多いと説明。WinnyやShareなどのファイル共有ソフトのネットワークを利用して、映像ファイルを求めている人を感染ターゲットにする目的だと考えられるとしている。
また、原田ウイルスに感染すると、人物やアニメのキャラクターなどの画像とメッセージが表示されるとともに、PC内にある静止画・動画・実行ファイルなどを画像ファイルに置き換えられ、ファイルが破壊されてしまう。このような動作の特徴などから、原田ウイルスは「破壊型ウイルス」とも呼ばれているとしている。
IPAでは、原田ウイルスは映像ファイルに見せかけるために、「動画.avi.(多数の空白).exe」といった形でファイルの見た目を偽装しているとして、ファイルを確認する方法を説明。Windowsで「拡張子を表示する」設定にする方法や、ファイルをアイコンの見た目だけで判断せずプロパティで確認する方法などを挙げ、このような怪しいファイルを見つけた場合には直ちに削除するよう求めている。
関連情報
■URL
コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況(1月分)について
http://www.ipa.go.jp/security/txt/2008/02outline.html
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( 三柳英樹 )
2008/02/04 16:02
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