米Microsoftは3日、次期ブラウザのInternet Explorer 8(IE8)で、従来からの方針を転換し、できるだけ標準準拠したモードをデフォルト設定にすると発表した。
この発表は、Microsoftが2月に発表した、標準規格やプロトコルなどの相互運用性に関する新しい基準に影響を受けたもので、新たな法廷闘争を避けるための予防処置でもあるようだ。
IE8は、2007年12月に標準準拠テストの1つであるAcid2テストに合格したことを発表していた。しかし、これはIE8のデフォルト設定で動作させたものではなかった。Acid2テストに合格するモードでIE8を動作させるには、開発者があらかじめ明示的に指定する必要があった。
これまでの説明では、IE8は、いわゆるレガシーWebページに対応するために、デフォルトではIE7互換モードで動作することになっていた。しかし今回の発表でこの方針を大幅に転換。IE8は標準準拠モードがデフォルト設定となり、IE7互換モードでページを表示させたい場合は、ヘッダーやメタタグを使って明示的に指定しなければならなくなった。
この発表をIE公式ブログで行なったゼネラルマネージャーのDean Hachamovitch氏によると、この決定は著名なWebエキスパートやコミュニティの要望を聴き、互換性を最大限考慮した上での決断だとしている。
また、Microsoftの報道発表でも、同社シニアバイスプレジデントで法務顧問であるBrad Smith氏は、「我々は、あるブラウザがどのレンダリングモードをデフォルトにすべきかという問題に関して、現時点でいかなる法的要求も存在しないと認識しているが、このようなステップを踏むことによって、この問題が潜在的な法的また規制問題となることを、明らかに回避することができる」とコメント。同社が直面している種々の法的訴訟がこの決定の背後にあることを認めている。
関連情報
■URL
IE公式ブログの該当記事(英文)
http://blogs.msdn.com/ie/archive/2008/03/03/microsoft-s-interoperability-principles-and-ie8.aspx
ニュースリリース(英文)
http://www.microsoft.com/presspass/press/2008/mar08/03-03WebStandards.mspx
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2008/03/05 12:02
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