「ユビキタスが浸透するまでは徹底的に進める」フリービット戦略説明会

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「ユビキタスが浸透するまでは徹底的に進める」フリービット戦略説明会

　フリービットは10日、2008年4月期第3四半期（2007年5月～2008年1月）の連結決算と、事業戦略に関する記者会見を開催した。

● DTIの子会社化などで業績は好調、通期予想を上方修正

　通期の連結決算は、売上高が50億6,400万円、営業利益が4億2,400万円、経常利益が2億8,600万円、当期純利益が2億6,300万円。第3四半期からは、子会社化したドリーム・トレイン・インターネット（DTI）が連結決算の対象となったため、売上高や利益が大幅に増加した。

　DTIの子会社化により、フリービットとDTIでは双方の組織を変更。フリービットが「BtoB」、DTIが「BtoC」の事業を担当する形となり、システム開発や保守・運用、コールセンターなどの部門を共通化。こうした効果が利益面で早期に表われているとして、通期の業績予想については営業利益、経常利益、純利益の上方修正を発表した。


フリービットの2008年4月期第3四半期連結決算	フリービットをBtoB事業、DTIをBtoC事業に再編成

● ユビキタス化事業などで2010年に売上高130億円を目指す

　今後の事業戦略については、4つのユビキタス化事業とISPの買収によるハイブリッド戦略などの2007年6月に発表した中期経営ビジョンに加えて、「海外進出」「ハイブリッド戦略拡大」「ユビキタス家電」の3つの重点戦略を定めた「SiLK VISION 2010 Ver.2.0」を発表。2010年4月期に売上高130億円、経常利益20億円、東証一部上場を目指すとした。

　ユビキタス化事業では、「メッセージング領域」「VPN領域」「通話報酬型広告領域」「モノ・コントロール領域」の4領域を成長領域として、フリービットが開発したオーバーレイネットワーク技術「Emotion Link」を利用した各種サービスを収益事業化。2010年4月期の売上目標を、メッセージング領域は15億円、他の3領域は10億円ずつの合計45億円とした。

　ISPの買収によるハイブリッド戦略については、DTIの構造改革を実施した効果が早くも表われており、現在も数社のISPに対して買収の打診を行ない、交渉を実施中であると説明。今年度はネットワークの共通化や運用体制の共通化などの準備を主に進め、本格的な買収は来年度から行なうとした。

　海外戦略については、4月に中国の上海に駐在事務所を設立し、事業を立ち上げていくと説明。当初は主に法人向けの事業を展開していく予定だが、将来的には個人向けの事業についても進出していきたいとした。


2010年に売上高130億円、うちユビキタス化事業で45億円を目指す	ユビキタス化事業の4つの成長領域

● ユビキタスサービスの開発環境「SemantiqNode API SDK」を発表

フリービットの石田宏樹代表取締役社長

　ユビキタス化事業の分野では、DTIの付加価値サービス「Dream SemantiqNode」向けの開発環境「SemantiqNode API SDK」を発表した。Dream SemantiqNodeは、DTIユーザーであれば誰でも利用できるサービスで、携帯電話や外出先のPCなどからインターネットを介して自宅のPCにVPN接続できる環境を提供する。

　SemantiqNode API SDKは、このDream SemantiqNode上で簡単に新たなサービスを構築できる開発環境となる。PC内の各種リソースに対して、標準的なHTTP形式でアクセスできるようになる点が特徴で、各種のWebサービスとPC内のリソースやデジタル機器などを組み合わせたマッシュアップサービスの開発が行なえるとしている。

　フリービットの石田宏樹代表取締役社長は、SemantiqNode API SDKについて、「WebサービスのAPIだけでなく、デジタル機器などあらゆるリソースに対するマッシュアップが簡単にプログラムできる環境を提供するもの」と説明。GoogleマップとWebカメラを組み合わせたサービスや、自宅のPC内に保存してある動画のストリーミングサービス、Webからの家電機器の電源コントロールなどのデモを披露し、SemantiqNode API SDKを用いればこうしたサービスが簡単に実現できるとした。

　石田氏は、「1993年からインターネットを普及させるための事業を手掛けてきたが、当時はインターネットとは何かということから説明しなければならなかった。今はユビキタスがその段階にある」と説明。フリービットのユビキタス化事業については、「『ユビキタス』が浸透するまでは、徹底的に進めていく」と語った。


Webサービスとデジタル機器を組み合わせたマッシュアップが可能に	WiiのWebブラウザから家電の電源制御を行なうデモを披露

関連情報

■URL
　ニュースリリース（2008年4月期第3四半期決算、PDF）
　 http://www.freebit.com/ir/pdf/2008-03-10_01.pdf
　ニュースリリース（業績予想の修正について、PDF）
　 http://www.freebit.com/ir/pdf/2008-03-10_02.pdf
　ニュースリリース（SemantiqNode API SDKについて）
　 http://www.freebit.com/press/pr2008/20080310.html

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・ローカルPCを簡単にAPIで開放できるサービス、DTIがベータ公開（2007/12/17）
・「DTIは“ユビキタスハブ”になる」フリービット石田社長が戦略語る（2007/09/07）

（三柳英樹）
2008/03/10 20:42

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