欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は19日、通信市場に関する報告書を発表した。その中で、ブロードバンドの普及に関して、加盟国のうち8カ国が米国を凌駕していることが明らかになった。
今回発表された報告書は、「単一通信市場に関する第13回進捗状況報告書」と称するもの。最終的に単一市場の形成を目指すEUが、その進捗状況をまとめるために毎年報告しているものだ。
今回注目されたのは、ブロードバンドの普及率についての部分。世界をリードする北欧各国(スウェーデン、フィンランド、デンマーク)、オランダに加えて、英国、ベルギー、ルクセンブルク、フランスの計8カ国が、ブロードバンドの普及率において、米国の22.1%(2007年7月現在)を上回っていることが明らかになった。
ブロードバンド市場は急拡大しており、2007年にはEUで1,900万人がブロードバンド利用を開始。全体の平均でも20%の普及率となり、現在では620億ユーロの市場を形成しているという。ただし、現在のブロードバンドは加盟各国が独自の規制を採用している関係で料金がまだまだ高いと指摘されている。単一市場が達成されれば、料金も下がり、ますます普及に弾みがつくとされている。
企業側を見ると、固定回線時代のビジネスモデルの「遺産」を引きずっている関係で、86.5%もの消費者が旧式のインフラを利用せざるを得ない環境を強いられているという。また、通信市場には国境はないはずだが、国外でビジネスを展開する通信企業はたった30%に過ぎないことが指摘されており、EU域内でもまだまだ国境の存在が大きいことが調査で明らかになった。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://ec.europa.eu/information_society/newsroom/cf/itemlongdetail.cfm?item_id=3963
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・ EUのブロードバンド普及率は14.8%、成長が鈍化(2007/02/05)
( Gana Hiyoshi )
2008/03/21 14:42
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