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米Google、周波数帯オークションの戦略について初めて公に語る


 米Googleは3日、米連邦通信委員会(FCC)主催の周波数帯オークションの内情について、初めて公に説明を行なった。結局、Googleは1つもライセンスを落札できず、同社の戦略についてもさまざまな憶測が流れていた。

 これまで、FCCの設定したルールによって、決められた期限を過ぎなければこのオークションについて語ることは許されていなかった。今回、その期限が過ぎたことを受けて、Googleは同社の公式見解を表明する場であるPublic Policy公式ブログでコメントを発表した。

 それによると、全米で携帯電話ネットワークを構築するために必要なライセンスとみなされていた「Cブロック」オークションの入札に関して、Googleは主に2つの戦略を持っていたことが明らかになった。

 1つめは、落札金額が最低落札額の46億ドルに間違いなく達するようにすること、そして2つめは、でき得れば、Cブロックのライセンスを落札することである。

 Googleは周波数帯オークションが始まる以前に、FCCに対して、携帯電話ネットワークをオープンにするよう強力なロビー活動を実施。最低でも46億ドルを入札することを確証する代わりに、携帯電話ネットワークをオープンにする4つのルールを設定するようFCCに求めた。結果としてFCCは、そのうち2つしか採用はしなかったが、Googleによれば、よりオープンな携帯電話ネットワークが開かれたことになったと説明している。

 Googleは、携帯電話プラットフォームの「Android」や、携帯電話向け各種サービスを展開している。そのためオープンなネットワークになることは是非とも必要な条件だった。したがって、Cブロックの入札価格が46億ドルを超えることが是非とも必要になった。

 その上で、46億ドルを超えれば、次にCブロックライセンスを落札する目標があった。しかしGoogleによれば、最終的に落札に成功したVerizon Wirelessのほうが「ライセンスを獲得する金銭的なインセンティブが大きく、より高い金額で入札したことが明らかだった」と説明している。

 Googleでは今後、テレビ放送周波数帯の隙間にある周波数帯を開放し、モバイルブロードバンドに使用するようFCCに求めていく一方、さらに携帯電話ネットワークの世界をインターネットのようなオープンプラットフォームにするよう、政策決定者や規制当局に求めていく考えだとしている。


関連情報

URL
  Google Public Policy公式ブログの該当記事(英文)
  http://googlepublicpolicy.blogspot.com/2008/04/cone-of-silence-finally-lifts-on.html

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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2008/04/04 13:32

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