欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会が18日、EUのインターネット利用状況調査の結果を発表した。欧州の人口の半数を超える2億5,000万人がインターネットを定期的に利用しており、そのうち80%にあたる2億人がブロードバンド接続をしていること、欧州の公共サービスのうち60%がオンラインで利用可能であることが明らかになった。また、ブロードバンドの普及により、教育機関・医療機関でもネット利用が広まり、今回の調査では3分の2の教育機関および過半数の医療機関がブロードバンドでネット利用をしていることもわかった。
今回の調査はEUのデジタル推進戦略「i2010」の一環で、2005年に合意以降、EUレベルおよび国レベルでの情報通信技術の普及推進が図られている。この技術推進と並行して単一市場の実現を図ることも視野に入れているという。ただし、通信市場の単一市場化への道のりは遠く、その実現にはいくつもハードルがあると報告書は指摘している。
21世紀に入ってからのネットの普及は目を見張るものがある。2001年には教育機関でブロードバンドに接続できていたのは皆無に等しかったところ、現在では3分の2にまで増加した。医療機関では、2002年に17%だったが、現在では57%に増加している。ビジネス部門ではブロードバンド普及は77%となり、オンラインバンキングでも77%にまで普及しているという。
インターネットを利用していない人口は40%にまで減少したものの、一方でルーマニアの69%、ブルガリアの65%、ギリシアの62%など、普及率が40%を切るところもあり、最高値を示したデンマークとオランダの87%との乖離が明確になっている。また、ビジネス部門では、オーストリア、チェコ、マルタ、ポルトガルでは基本的なサービスはすべてネット処理が可能となっているという。他方で、ブルガリア(15%)、ポーランド(25%)、ラトビア(30%)などでは、まだまだ完全普及にはほど遠いという。今後は、格差を是正するために委員会は推進活動を進めるとしている。
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■URL
ニュースリリース(英文)
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/08/605&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en
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( Gana Hiyoshi )
2008/04/21 12:40
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