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Facebookが日本語サイト公開、実名ユーザー登録で差別化図る


Facebookのトップ画面
 米Facebookは19日、SNS「Facebook」日本語版の提供を開始した。メールアドレスと氏名を登録すれば、無料で利用できる。既存の英語版Facebookユーザーは、アカウントページにある言語の設定を変更することで、サイトを日本語で利用することが可能。

 Facebookは世界で7,000万人以上のユーザーが登録するSNSで、米国内ではMySpaceに次ぐ2番手。日本語以外では英語、スペイン語、ドイツ語、オランダ語、フランス語、ポーランド語、ノルウェー語で展開している。2006年末はユーザーの9割が米国人だったが、2008年5月は3分の2が米国以外のユーザーだという。

 プロフィール、ブログ、メッセージ送受信、チャット、画像や動画の公開・共有などのほか、友人にイベント情報を告知したり、ユーザーの友人に関する更新情報を告知する「News Feed」などのコミュニティ機能を備える。ユーザーが投稿したプロフィールや関連情報については、「友達のみ」や「友達の友達」などと公開設定することができる。

 また、Facebook上で利用可能なアプリケーションを開発・公開できるプラットフォーム「Facebook Platform」を提供していることも特徴。30万人以上の開発者が参加し、2万以上のアプリケーションが公開され、現在でも1日あたり140のアプリケーションが開発されているという。

 日本語への翻訳は、「ユーザーにとって最も良いものはユーザーが一番知っている」というFacebookの考えのもと、430人の日本語ユーザーがボランティアで担当。ユーザーに対しては、翻訳内容を多数決で判定するアプリケーションを提供し、最終的に同社と翻訳者が内容確認を行なった。この手法は、他の言語の翻訳時にも採用されているという。


プロフィールや関連情報の公開度を設定する画面 開発者向けプラットフォームでは、20,000以上のアプリケーションが公開されているという

実名によるユーザー登録はFacebookの“常識”

Facebook創業者でCEOを務めるMark Zuckerberg氏
 19日には都内で会見が開かれ、創業者でCEOを務めるMark Zuckerberg氏がFacebookの特徴を説明。実名によるユーザー登録を行なうことで、友人を探しやすくなるほか、実社会と同じ人間関係でつながりあえることがメリットであるとアピールした。

 「そもそもFacebookは大学生向けSNSとしてスタートしたが、偽名を使うユーザーは投稿内容も嘘だと見なされ、コミュニティの蚊帳の外に置かれてしまう。Facebookでは、実社会と同じ人間関係を構築していることもあり、今では実名登録がFacebookの“常識”となった。偽名の使用についてはチェックも行なっている。」

 日本人ユーザーは実名登録を嫌うことも懸念されるが、Zuckerber氏は情報のプライバシー管理が充実している点を強調。改めて、実名登録によるサービス展開が、MySpaceやmixiとの差別化につながると訴えた。

 「Facebookでは個人情報も掲載できるが、『個人情報は特定グループの友人だけ』といったように、公開範囲を細かく設定することが可能。情報共有を本当の友人に限定できるため、安心して情報を投稿できる。FacebookはMySpaceよりも後発だが、ユーザー登録者数の伸び率ではFacebookの方が上。これは、実名で情報共有したいユーザーが多いと解釈できる。」

 モバイル分野の取り組みについては、「PCよりも携帯電話向けのサイトが重要という文化もある」ことから、注力すべき分野であると指摘。また、開発者向けプラットフォームで「Blackberry」向けアプリケーションが公開されていることを挙げ、今後も外部によるアプリケーション開発を期待したいと話した。

 また、収益源については広告収入が最も大きいとしたが、日本語サービス開始当初は、「アルファベットを使わない市場では初めての展開ということもあり、まずは情報共有の場として根付いてから広告展開を積極的に行なっていきたい」とした。


Facebookでは、実社会と同じ人間関係でつながりあえることがメリットだという Facebookのこれまでのあゆみ

関連情報

URL
  Facebook
  http://www.facebook.com/

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米SNS大手のFacebookが「Facebook Platform」を発表(2007/05/28)


( 増田 覚 )
2008/05/19 15:11

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