米ソーシャルネットワークサイト(SNS)大手のFacebookは24日、Facebookと密接に関連したアプリケーションを開発・公開できる「Facebook Platform」を発表した。発表に合わせて、Facebook Platformの上で動作するアプリケーションをパートナー企業65社が公開した。
Facebookは自らが持つ強みを、SNSの中の人間関係、つまり「社会的なグラフ(social graph)」と呼ぶ。そして、そのグラフの上にアプリケーションを構築できる「プラットフォーム」となることを新たな戦略とした。
同社を含めすべてのソーシャルネットワークは2つの部分からなっているという。1つはこの「社会的なグラフ」であり、もう1つはその上で実行されるアプリケーションだ。これについてFacebookの創業者でCEOであるMark Zuckerberg氏は、「社会的なグラフは世界の動き方を変化させている。我々はこれまでの歴史の中で、より多くの情報が入手でき、人々がかつてないほどに結びつきあい、その中心に社会的なグラフがあるという時代にいる」と説明した。
そこでFacebook Platformでは、Facebookを利用する人々の関係をアプリケーションに組み込むことができるようにした。例えば、Facebook APIやFacebook markup languageで開発されたアプリケーションでは、アプリケーションをより多くの人に使ってもらうために、友人たちに自動通知する機能を付け加えることができる。友人が新しいアプリケーションを自分のプロフィールに付け加えると、自分のニュースフィードにそのことが通知され、新しいアプリケーションの存在が認知されていくという仕組みだ。
また、「Video」というサンプルアプリケーションでは、Facebookの友人内で個人的に撮影された動画を共有したり、直接相手の受信箱に送信できる。カメラ付き携帯電話の普及により、Facebookは携帯電話から動画をアップロードする機能も用意している。
このようにFacebookが既に発表しているAPIと、新しく発表されたFacebook markup languageを使用すると、ソーシャルな関係性を利用したアプリケーションが作れる。特にFacebook markup languageを使うと、タグやプライバシータグ、画像キャッシュ、Flashなど、Facebookのユーザーインターフェイスにぴったり合うようなアプリケーションを開発できる。
現時点では、プロフィール内で動作するアプリケーションには広告が表示されない。しかしFacebookでは、将来的にはサードパーティ企業がキャンバスページで広告やトランザクションから収益が得られるようにする予定だ。
今回の発表に合わせてデベロッパー企業65社が85のアプリケーションを発表した。その中にはAmazon.com、Digg、FeedBurner、Forbes.com、Microsoft、Slide、Twitter、Veoh Networks、Warner Bros.Records、Widgetboxなど、数多くの大企業やWeb 2.0企業の名前が含まれている。
関連情報
■URL
Facebook(英文)
http://www.facebook.com/
■関連記事
・ 学生専用SNSの米Facebook、Microsoftの広告ソリューションを採用(2006/08/24)
・ 米国SNSの訪問者数が1カ月で11.5%増加、MySpaceはシェア8割超で首位(2007/03/16)
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/05/28 12:32
- ページの先頭へ-
|