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投資家のIcahn氏、Yahoo!のJerry Yang氏と取締役会を強烈に批判

引き続き経営陣の入れ替えを主張

 米国の著名投資家であるCarl Icahn氏が、4日付で新たな公開書簡を米Yahoo!取締役会議長であるRoy Bostock氏宛に送付した。

 この中でIcahn氏は、Yahoo!のCEOであるJerry Yang氏と、同氏を支持する取締役会の一部を強烈に批判し、Yahoo!が長期的に生き残るためには、Microsoftとの合併しかないとの従来の主張を繰り返した。

 Icahn氏は、Yahoo!が採用した防衛策を痛烈に批判している。この防衛策は、従業員の保持こそが「Microsoftのアキレス腱」であると考え、Yahoo!の経営陣が変わった場合に、従業員1万4,000人に対して相当額の退職手当てと辞職する権利を付与するというものだ。

 また、とある裁判で、Microsoftが2007年1月にYahoo!に対して1株あたり40ドルで買収提案を行なっていたことも明らかになったとしている。

 Icahn氏は、Yang氏のとった行動、つまりMicrosoftと一方では交渉すると言いながら、もう一方ではMicrosoftの買収交渉を妨害したことを痛烈に批判。そして「私は、地球を自爆させるような最終兵器は、ジェームズ・ボンドの映画にしか見られないような想像上の代物だと馬鹿正直に信じていた。誰かが、現実の世界でそんなものを作ってスイッチを入れるなどとは考えたこともなかった」と皮肉った。

 Icahn氏は、「私と多くの株主は、Yahoo!を短期的にではなく長期的に救い出すための唯一の方法は、Microsoftと合併することだと信じている」と述べ、そのためには、Yahoo!のCEOであるYang氏と取締役会を入れ替える必要があると指摘する。なぜなら、これほどの規模の買収を成功させるためには一定の期間が必要であり、その間、MicrosoftはYahoo!経営陣を信用して買収金額の45億ドルを宙に浮かせるリスクを負わなければならないからだ。

 さらに、Yahoo!取締役会の背後にある動機と行動について、強烈に批判している。「あなたは、昨日のプレスリリースで『Jerry Yang氏を含むYahoo!の取締役にとって、株主への最善の利益となるMicrosoftからのいかなる提案も検討するべきことは、火を見るよりも明らかである』と述べた。しかしこれは私にとって火を見るよりも明らかではない。あなたは40ドルの買収提案を蹴ったとされている。あなたは33ドルの提案を蹴り、そして妨害行為を行なった。その代わりにあなたは、私の考えでは33ドル以下の価値しかなく、その上、取締役会とJerry Yang氏を安全な場所に置くことになる代替的取り引きで交渉することを願っているように思える。私はこのような交渉が、毎週数日働くだけで月4万ドルを受け取ることができる経営陣と取締役会メンバーの最善の利益であることは理解できるが、このような行動が株主の最善の利益であるというふうに理解することは極めて難しい」。

 Yahoo!は3日、株主総会を8月1日に開催することを決定し、株主と米証券取引委員会に通知していた。株主総会はMicrosoftによる買収提案やIcahn氏による経営陣更迭要求のため延期されていた。


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URL
  ニュースリリース(英文)
  http://www.prnewswire.com/cgi-bin/stories.pl?ACCT=109&STORY=/www/story/06-04-2008/0004826593&EDATE=

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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2008/06/05 12:16

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