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ブルーレイ課金の省庁間合意に「戸惑いと失望」権利者団体が声明

「ダビング10」の議論を前進させるものではない

 「ダビング10」の開始に向け、ブルーレイディスクと同録画機を私的録画補償金の課金対象とすることで文部科学省と経済産業省が合意した件について、「デジタル私的録画問題に関する権利者会議」の28団体と、「日本芸能実演家団体協議会」に加盟する61団体が17日、声明を出した。この合意が、ダビング10の議論を前進させるものではないとの考えを示している。

 権利者団体は、現行制度においてブルーレイ課金を導入することに関して、省庁間の垣根を越えて努力が行なわれたことに謝意を示しながらも、両省庁間の合意について、権利者はそのプロセスを承知していないと説明。合意内容についても、「ブルーレイディスクの指定がデジタル放送に着目したものであるか明確でないこと」「すでに文化庁が提案している補償金制度の枠組みに関する今後の取り扱いが明確でないこと」の2点を挙げ、どれだけの意味を持つものか現時点で判断できないとしている。

 ダビング10の開始にあたっては、関係者の合意が得られることが前提となっており、総務省の情報通信審議会の場で話し合いが続けられている。しかし、「権利者への適性な対価の還元」としてHDDレコーダーを補償金の対象に加えることを求める権利者側と、これを受け入れられないとするメーカー側が対立。未だ合意に至っておらず、当初予定していた6月2日の開始が延期されている状況にある。今回の両省庁間の合意においても、情報通信審議会のダビング10の議論について両大臣が触れているという。

 しかし権利者団体は、現行法でのブルーレイ課金が、この「権利者への適性な対価の還元」にあたるかどうか疑問だとしており、両大臣のコメントに「戸惑いと失望を感じざるを得ないというのが正直なところ」と述べている。

 権利者団体の声明では、両省庁の合意について大臣が、情報通信審議会で議論されているダビング10の問題について触れている点についても言及。現行法でのブルーレイ課金が、「権利者への適性な対価の還元」にあたるかどうか疑問だとしており、両大臣のコメントに「戸惑いと失望を感じざるを得ないというのが正直なところ」と述べている。

 さらに、ブルーレイ課金については、現行法においてもっと早い段階で行なわれてしかるべきと主張しており、「権利者としてはこの合意を以って、ダビング10の実施期日の確定ができるものとは考えていない」「この合意がダビング10の議論を前進させるものでもない」と述べている。

 なお、権利者団体は24日、この件についての合同記者会見を開催するという


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URL
  ニュースリリース
  http://www.cpra.jp/web/news/news_080617_3.html

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( 永沢 茂 )
2008/06/17 14:55

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