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ヤフオク、「4半期で1億円以上の補償金を支払ったことも」

ヤフーがオークション商品未着トラブルの対策と成果を説明

ヤフーの八代峰樹オークション事業部長

これまでに実施したオークション商品未着トラブル対策
 ヤフーは4日、「Yahoo!オークション」の安全対策強化と今後の取り組みに関する記者説明会を開催した。これまでに実施したオークション商品未着トラブル対策と成果について、同社のオークション事業部長である八代峰樹氏が説明した。

 ヤフーでは、2007年12月に「オークション商品未着トラブル撲滅に向けた抜本的な詐欺対策」を発表した。「受け取り後決済サービス」「代金引換」の推奨、一部カテゴリの取引ルール変更、不正ID売買の対策などを行うとした。

 その後、12月に「やめようID売買」ページの公開と、「カーナビゲーション」カテゴリーのルール変更を行った。「やめようID売買」は、詐欺出品に使われる売買されたYahoo! JAPAN IDの撲滅を目指した啓発を行うページで、実際に売買のサイトを見つけた際は、ユーザーがヤフーへ連絡もできる。

 八代氏は、「ネットの掲示板や携帯電話サイトなどで、『Yahoo! JAPAN IDを売ってくれたら報酬を払う』『不要なIDを買い取る』など、オークション詐欺につながるような書き込みがある。ページでは、IDを販売したらどのように悪用されるのかも説明している。IDを販売した人もオークション詐欺の加害者」とした。

 「カーナビゲーション」カテゴリーのルール変更では、商品の取引時に、商品が到着してから代金を支払う決済方式に限定した。このルール変更は、商品未着トラブルが比較的多いカテゴリについて実施するもので、2008年1月には「携帯電話本体」カテゴリー、2月には「ギフト券」カテゴリーも同様のルール変更を行っている。

 3月には、「知っておきたいトラブル対応」ページを公開した。落札後の取引に応じて、チャート方式で数パターンの詐欺手口の解説やアドバイスへ分岐し、正しい取引方法やトラブルの対処方法を解説する。また、「代金支払い管理サービス」も開始。落札者が振り込んだ代金を、いったんジャパンネット銀行が預かり、落札者が商品を受け取った後に、出品者への入金処理を行う仕組みだ。

 5月には、オークション詐欺の実態を紹介する「実録オークショントラブル」ページの公開や、「代金支払い管理サービス」に「かんたん決済」の追加、配送本人確認の厳格化(生年月日取得と住所確認運用強化)を開始した。6月からは、「入札者のIDの非表示化」も開始。「Yahoo! JAPAN IDとメールアドレスが一緒のユーザーへメールを送り、『落札者がキャンセルしたので、あなたに売ります』などと持ちかける手口がある」という。IDの収集を不可能にすることで、それを防ぐ。

 最後に八代氏は、対策の成果として、オークション詐欺被害(商品未着トラブル)の発生件数と補償金額の推移を説明。「実数は非公開だが、一番悪い時だと、4半期で1億円以上の補償金を支払ったこともある」という。「最近の詐欺被害発生率は0.003%。ざっくり言うと、毎週1度ヤフオクで落札したと仮定して、500年に1度詐欺に遭うかどうかの確率になった。我々の対策が効果を発揮したと自負している」と述べた。


代金支払い管理サービス 入札者のIDの非表示化 オークション詐欺被害の発生件数と補償金額の推移

関連情報

URL
  Yahoo!オークション
  http://auctions.yahoo.co.jp/jp/

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( 野津 誠 )
2008/08/04 19:31

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