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EUがローミングサービス引き下げ、SMSとデータ通信は高値傾向


 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は、8月30日(欧州時間)からEU域内のローミングサービス料金を引き下げた。「ユーロタリフ」と呼ばれるローミング料金規制は2007年に導入されており、今回、発信側の事業者が1分間あたり0.49ユーロから0.46ユーロに、受信側の料金は1分間あたり0.24ユーロから0.22ユーロに引き下げられた(いずれも税抜)。

 今回の料金引き下げは2006年の欧州委員会決定によるもので、当時1分間あたり1.15ユーロもしていたローミング料金が、EU域内でのビジネス環境の障壁になると指摘され、引き下げが提案されていた。現行規定は2010年に満了となるため、現在、欧州委員会は今後の規制のあり方を再検討している。

 その猶予が2008年末となっているが、現在の料金は、通話料金については顕著に引き下げが進んでいるものの、テキストメッセージ(SMSなど)およびデータ通信については、まだまだ法外に高いという指摘があるという。たとえば、グループ会社では1MBあたり2.05ユーロであるのに対して、ローミングを使って他社とデータ通信をすると1MBあたり5.40ユーロかかるという。倍以上という料金差がデータ通信の競争力を失わせているという評価につながっている。

 今回の料金引き下げはEU加盟27カ国全域に及ぶ。ユーロ非加盟のEU加盟国は2008年7月30日現在の為替レートで計算がされ、スロバキアはユーロに2009年から加盟するため特例が適用される。2009年8月30日にも料金引き下げが予定されており、引き下げ後は、送信側が1分間あたり0.43ユーロ、受信側が0.19ユーロになるという。欧州委員会は、2010年以降の料金については近々決定する予定であるとしている。


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URL
  ニュースリリース(英文)
  http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/08/1276&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en

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( Gana Hiyoshi )
2008/09/01 14:01

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