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MIAUがネット教科書を公開、非匿名性やメール依存症を説明


 インターネット先進ユーザーの会(MIAU)は、インターネットリテラシー読本「“ネット”と上手く付き合うために」のVer 1.0を7日に公開した。MIAUのサイトからPDF形式(全23ページ)で無償ダウンロードできる。

 「“ネット”と上手く付き合うために」は、リテラシー教育を目的にMIAUが発足した「インターネットの教科書プロジェクト」の成果第1弾となる。読本では、まず“青少年ネット規制法”の問題点を指摘した上で、子供とインターネットの議論は「携帯電話を基本に考える必要がある」と明記している。

 有害情報への対策としては、「フィルタリング」「ペアレンタルコントロール」「情報リテラシー教育」を挙げる。ただし、フィルタリングは不完全な技術であるほか、フィルタリングされているという事実が子供のストレスになると説明。また、親が子供のネット利用を監督するペアレンタルコントロールは、携帯電話では難しいとしている。よって、情報リテラシー教育が重要であるという。

 現在の学校のカリキュラムでは、高校の「情報」授業で「情報リテラシー」を扱っている。ただし、ネットを小中学生から使い始める子供も多く、高校の段階では遅いとして、2012年度から始まる新しいカリキュラムでは、中学の「技術・家庭」授業で情報リテラシー教育を行うことになっている。MIAUでは、新しいカリキュラムが施行されるまでの間、学校や家庭で利用できる教材として「“ネット”と上手く付き合うために」を提供するという。

 「“ネット”と上手く付き合うために」のVer 1.0は、「ネットは匿名ではない」「メールから少し離れてみよう」といった2つのセクションに分かれている。「ネットは匿名ではない」では、掲示板などへの書き込みは、名前を隠しても身元がわかることをイラストも交えて説明するほか、4コマ漫画も掲載する。「メールから少し離れてみよう」は、メール依存症を説明している。「携帯メールやり過ぎ度チェック」や「メール依存症から脱出する5つのステップ」も掲載する。

 なお、「“ネット”と上手く付き合うために」は、クリエイティブコモンズの「表示・継承」ライセンスで公開している。原著作者(MIAU)の名前を表記することで、商用・非商用にかかわらず、無償で読本の複製・配布が可能だ。MIAUは読本について、「まだ序盤のみではあるが、教育現場の皆様から多くのフィードバックをいただきながら、今後も引き続き制作を行っていく」としている。


関連情報

URL
  MIAU
  http://miau.jp/
  “ネット”と上手く付き合うために(PDF)
  http://miau.jp/20080905/MIAU080905-3.pdf

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( 野津 誠 )
2008/09/08 13:26

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