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「青少年インターネット環境の整備等に関する検討会」第1回会合
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挨拶に立った小渕優子内閣府特命担当大臣
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内閣府は20日、青少年が安全にインターネットを利用できる環境の整備などについて検討する「青少年インターネット環境の整備等に関する検討会」の第1回会合を開催した。検討会では、青少年のネット利用に対する教育・啓発活動など政府の施策について、2009年6月をめどに基本計画をまとめる。
内閣府では、6月に成立した「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」(青少年ネット規制法)について、施行令などの関係政令の制定を進めている。法律は公布日から1年以内に施行することとされており、内閣府では2009年4月1日を施行予定日として作業を進めていると説明した。
また、法律では、国および地方公共団体が青少年のネット利用についての施策を策定し、実施することが求められているため、内閣府では政府の施策を策定するための有識者による検討会を設置。青少年の適切なインターネット活用能力の教育および啓発の推進、フィルタリングソフトの性能向上および普及、民間団体の取り組み支援などの政府の施策について検討を行い、2009年6月をめどに基本計画としてまとめる予定。
検討会の第1回会合では、小渕優子内閣府特命担当大臣が挨拶に立ち、「インターネットは生活に欠かせないものとなっており、これから育つ子供達にとってはインターネットは当たり前のように存在しているものになる。しかし、子供がインターネットを安全に安心して使える環境が整っているかと言えば、自分も一人の母親として心配に思うところがある。そのための環境整備は私たち大人に課せられた課題だ」と述べ、施策の策定に向けた活発な議論を呼びかけた。
続いて、検討会の座長を務める独立行政法人メディア教育開発センター理事長の清水康敬氏が、青少年のネット利用に対する教育および啓発活動の現状について発表。学校での情報モラル教育についての取り組みや保護者向け説明会、教員向け研修などの取り組みなどを紹介した。また、検討会での検討のポイントとしては、「有害情報から子供を守る」「青少年の健全な育成を図る」ことを目標とした上で、効果を上げるためにはフィルタリングのあり方を明確にすることや、子供と保護者の実態や影響の把握、子供と保護者のICTリテラシーを高めること、保護者の判断力を高めることが必要だと説明した。
保護者の立場からは、日本PTA連絡協議会会長の曽我邦彦氏と、全国高等学校PTA連合会会長の高橋正夫氏が、それぞれの組織での取り組みと意見を発表。曽我氏は、様々な取り組みを進めてはいるが、なかなかフィルタリングの普及は進まないという現状があるとして、フィルタリングなどの施策は子供達の年齢に応じて対策は異なるが、「小中学生の保護者としての立場からは、まずは子供達を守ることを優先させてほしい」と説明。高橋氏はメディアリテラシー教育の必要性を訴えるとともに、高校生ではほとんどの生徒が携帯電話を持っていることから、一律にいきなり規制するのでは影響が大きすぎるとして、まずは自助努力に期待したいと語った。
第1回会合では意見交換として、参加した各委員から、子供のネット利用でのトラブル相談は学校に持ち込まれることが多いが、学校だけでは問題の解決は難しいといった説明や、フィルタリングには大人が子供に明確に説明できる基準が必要だといった意見、子供が相談できるカウンセラー制度が有効ではないかといった提案などが行われた。今後の会合で具体的な施策などについての検討を行い、2009年2月には基本計画の骨子案を示す予定としている。
関連情報
■URL
青少年インターネット環境の整備等に関する検討会
http://www8.cao.go.jp/youth/suisin/youth-harm/index.html
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( 三柳英樹 )
2008/10/20 20:49
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