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海賊版の検挙事例、ネット販売が58.3%、偽ブランド品では42.3%


 警察庁は12日、2008年における生活経済事犯の検挙状況についての報告書を公表した。生活経済事犯の検挙事件数は1万1799件、検挙人員は1万4967人で、いずれも2007年より減少した。

 2008年の生活経済事犯のうち、知的財産権侵害事犯の検挙事件数は385件(2007年は441件)、検挙人員は710人(同756人)で、いずれも前年から減少。一方、知的財産権侵害品の押収点数は、偽ブランド品の販売事件や偽医薬品の密輸入事件を検挙し、大量の知的財産権侵害品を押収したため、前年の押収量を大幅に上回ったという。

 知的財産権侵害事犯の内訳は、偽ブランド事犯などの商標法違反が246件(そのうちインターネット利用は104件)、海賊版事犯などの著作権法違反が115件(同67件)、その他が24件(同3件)だった。

 偽ブランド品の販売形態は、インターネット利用販売が42.3%、店舗販売が38.2%、街頭販売が8.5%で、インターネット利用事犯が増加傾向にある。また、著作権法違反事件では、押収した海賊版の大半が国内で複製されたものだった。海賊版の販売形態は、インターネット利用販売が58.3%、店舗販売が20.0%で、こちらもインターネット利用販売の割合が増加傾向。加えて、ファイル共有ソフトを利用した公衆送信権侵害事犯も増加傾向にあるという。

 主な著作権法違反の検挙事例としては、ネットオークションを悪用した偽ブランド品販売や、自らが開設したホームページを利用した海賊版販売のほか、ネット上で「字幕神」などと呼ばれる男性が日本公開前の外国語映画をファイル共有ソフトで自動公衆送信した事件、レンタルサーバーを利用して音楽配信サイトを開設し、「無料着うたフル」を装って携帯電話向けに違法で音楽配信をしていた事件などが挙げられている。

 このほか、インターネットがらみでは、特定商取引等事犯の検挙事例において、ネットゲームソフト開発会社の役員らによるマルチ商法の詐欺事件を挙げている。社員らは、2004年9月から2006年9月までの間、「当社が販売するCD-ROMを購入して会員になれば、インターネットゲームの広告収入から毎月高配当が得られる」などと嘘を言って、新会員を加入させれば紹介料を支給する方法により、聴覚障害者約2600人を含む約5600人から約32億4000万円を騙し取っていたという。


関連情報

URL
  警察庁:生活安全の確保
  http://www.npa.go.jp/safetylife/
  平成20年中における生活経済事犯の検挙状況について(PDF)
  http://www.npa.go.jp/safetylife/seikan25/h20_seikeijihan.pdf

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( 野津 誠 )
2009/03/12 18:24

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