東京急行電鉄は16日、NEC、国立情報学研究所、東急エージェンシーと共同で実施した地域経済活性化サービス「盛り上がりマップ」の実証実験結果を公表した。実証実験では、東京・自由が丘周辺を訪れたモニターの行動履歴から商店街の“盛り上がり”を集計。この情報を駅前に設置したデジタルサイネージ「盛り上がりマップ」に表示することで、モニターの滞在時間を延長させることに成功したという。
実験期間は1月17日から2月8日まで。東京急行電鉄の東急沿線情報誌「SALUS」などで募集したモニター683人と自由が丘商店街の52店舗が参加した。モニターは、「盛り上がりマップ」周辺のセンサー端末に自らの非接触IC乗車券「PASMO」を触れさせることで、モニター登録が完了する。
モニター登録完了後は、「盛り上がりマップ」を参考にして自由が丘を歩き回り、お気に入りの店では店舗のセンサー端末にPASMOをタッチさせる。また、帰宅後は専用ブログに表示される行動ログをもとに感想を書き込む。これらの行動履歴は、商店街の“盛り上がり”として「盛り上がりマップ」上に反映される仕組み。
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実証実験の流れ
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実証実験では、「盛り上がりマップ」でモニターに新たな発見を与えることが、街での滞在時間の延長や回遊性の向上に寄与できるかどうかを中心に検証。モニターへのアンケートの結果、滞在時間は平均約13分延長したほか、約86%のモニターが「街を回遊しやすくなった」と答えたという。
東京急行電鉄では、「滞在時間の延長や来店機会の増加などの効果が期待される」と実験結果を高く評価。今後は、沿線内の各商店街への「盛り上がりマップ」導入を検討するとしている。
「盛り上がりマップ」は、次世代検索技術の研究開発を目指して経済産業省が進める「情報大航海プロジェクト」の2008年度事業に採択されたもの。事業名は、「地域活性化を支えるe空間サービス-ぷらっとPlat-」。
関連情報
■URL
ニュースリリース(NEC)
http://www.nec.co.jp/press/ja/0903/1602.html
情報大航海プロジェクト
http://www.igvpj.jp/index/
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・ 情報大航海プロジェクト、行動履歴活用など各社の実証実験を紹介(2008/09/30)
( 増田 覚 )
2009/03/16 17:48
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