欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会はこのほど、加盟国がブロードバンドネットワークの普及を目的とした公的基金支援を受けるためのガイドライン案を公開した。加盟国など関係者からのパブリックコメントを6月22日まで募集している。
ブロードバンドネットワークの拡充は、EUの競争力の源であるとの認識で最重要視されている。しかし、2008年後半以降の金融危機の影響から、EU当局も出資案件の選別には慎重になっている。そこで今回、重要ではあるが、分野自体の先進性から玉石混交している同業界において、一定の明確な基準を設けるべくガイドライン案を策定し、パブリックコメントを求めるに至った。
今回の案は、40人の委員が関与し、個々の案件についての経験・知識を結集して作成されたという。公的基金支援は、地方や離島などブロードバンドの普及が進んでおらず、そのインセンティブがあまりない地域や、競争が働かず、消費者の選択が事実上ないような地域を念頭に置いている。ブロードバンドの存在しない地域、独占企業が存在する地域、競争がある地域に分けて対策を提案している。
ガイドライン案の前半部分は、過去の個々の事例に基づいて、これを改善する目的のもの。後半部分は、次世代の超高速ネットワークの普及に向けたもので、個々の問題というよりは、EU全体での次世代ネットワークの導入に関する基準を設定しようというもののようだ。
以上のように、EU域内の全面的発展と次世代を見据えた総合的なガイドラインとなっており、パブリックコメントをふまえ、2009年後半にも導入予定だとしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/09/813&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en
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( Gana Hiyoshi )
2009/05/25 11:51
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