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ニュースキュレーション

メディア業界動向:定着しつつあるサブスクリプションモデル

 今週のメディア業界の動きをいくつか取り上げたい。ひとつは日経電子版の有料会員が60万人、無料会員を含めると400万人に達したということだ。そして、購読者の層も拡大していいて、20歳代の女性読者が増えているということも特徴的だ。一般的には、無料のニュースキュレーションアプリの普及などもあり、有料のニュースメディアとしての差別化も難しいと思われがちななか、こうした成長を成し遂げたのはブランディングやコンテンツの差別化などによるところか。

 もうひとつは、ヤフー!検索の検索結果において、疾病に関する専門情報の提供者であるメディカルノート社のコンテンツへのショートカットが提供されるという試みだ。診察後や検診後などに、より情報を集めるため、病名や薬品名などで検索をすることは一般的になっていると思われるが、確からしくない情報もあふれていて、こうした表示を検索結果の上位に表示させて、広告収入をえることを目指す施策が大きな問題となったこともある。今回の取り組みは、医学的な根拠のある情報へのリンクが検索結果に優先的に掲載されるということから、ユーザーがたどりつく質の向上が期待される。フェイクニュースに対する対策の一例ともいえよう。

 そして、コミックの海賊版対策に対する動きもある。海賊版サイトが広告モデルによって成立していたことに対して、広告関連団体が連名で声明を発表している。出版社も含め、関係事業者が対策をとることで一歩ずつとはいえ、解決に向かいつつあるともいえそうだ。サイトブロッキングが実施されるまえに、こうした動きがあるべきだったのだろう。

ニュースソース

  • 日経電子版、有料会員60万人 20代や女性に支持広がる[日本経済新聞
  • メディカルノートが「Yahoo!検索」と連携[日経デジタルヘルス
  • 「海賊版・違法サイト使わないで」 小学館、全雑誌に広告掲載[ITmedia
  • 海賊版サイトへの広告出稿の対策を強化--JIAAらが声明[CNET Japan

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「iNTERNET magazine Reboot」は、ネットニュースの分析や独自取材を通して、デジタルテクノロジーによるビジネス変化を捉えるインプレスR&D編集のコーナーです。産業・教育・地域など、あらゆる社会の現場に、Reboot(再始動)を起こす視点を提供します。