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提供を終了するISDNのディジタル通信モードを補完、NTT東西が「メタルIP電話上のデータ通信」サービスの提供を決定

 東日本電信電話株式会社(NTT東日本)と西日本電信電話株式会社(NTT西日本)は、提供を終了する「INSネット」の「ディジタル通信モード」の補完策として「メタルIP電話上のデータ通信」サービスを提供することを決定した。なお、ディジタル通信モードの提供終了予定時期はこれまで2020年度後半としてきたが、現在、後ろ倒しすることを検討しており、4月以降早期に発表するという。

 NTT東西では、PSTNからIP網への移行に伴い、加入電話とINSネットの「通話モード」については「メタルIP電話」として音声通話を引き続き利用できるようにする一方で、INSネットのディジタル通信モードについては提供を終了するとしている。

 今回、提供開始を決定した「メタルIP電話上のデータ通信」は、ディジタル通信モード提供終了までにISDN対応端末の更改が間に合わないユーザーを対象に、当面の対応策として提供するもの。料金は、「INSネットの料金を念頭に置き、既存INSネットのディジタル通信モード利用者にできる限り追加負担をおかけしない水準を検討中」だとしており、「メタルIP電話」の料金・提供条件とあわせて4月以降早期に提示する方針。

 ディジタル通信モードの提供終了に向けてNTT東西では2016年9月以降、「メタルIP電話上のデータ通信」サービスでのISDN対応端末の動作を確認できる検証環境を構築。これまでに20以上の関係団体・企業などと検証を行った結果、アプリケーションによっては処理時間が増加する場合があり、INSネットと全く同一の品質とはならないものの、端末間のデータ送受信が可能であることが確認できたとしている。検証結果については、NTT東日本・西日本のウェブサイトで公開している。

 ISDN対応端末のユーザーに対し、端末のライフサイクルにあわせてIP対応機器への更改および光回線などによるIPサービスへの移行を引き続き提案していくとしているが、ディジタル通信モードの提供終了までにISDN対応端末の更改が間に合わないユーザーにおいては、補完策として「メタルIP電話上のデータ通信」サービスが有効な手段の1つになるとしている。

 なお、ディジタル通信モードの終了および「メタルIP電話上のデータ通信」サービスの提供に関して事実に反した説明をするなどし、必要のない端末の購入・設置などの強引な契約を迫る悪質な販売勧誘に注意するよう、NTT東西では呼び掛けている。