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マンション内のVDSL配線を光配線へ、無料でタイプ変更工事~NTT東日本

「フレッツ 光ネクスト」の集合住宅向け“オール光”に積極的

 東日本電信電話株式会社(NTT東日本)は、「フレッツ 光ネクスト」の「マンションタイプ(VDSL方式/LAN配線方式)」の利用者が「光配線方式」に切り替える際のタイプ変更工事を無料で実施する。対象となるのは、7月1日から2021年1月31日までに切り換えを申し込み、2021年7月31日までに開通した利用者。変更後のサービスは「マンションタイプ(光配線方式)」「マンション・ハイスピードタイプ」「マンション・ギガラインタイプ」「ギガマンション・スマートタイプ」となる。通常、タイプ変更の標準的な工事費は1万6500円(税込)だが、これが無料で行える。

この図で「MDF室」より右側にある集合住宅内の配線ルートは、集合住宅の所有者側で準備する必要がある。その中を通る光ケーブルはNTT東日本が設置する

 VDSL方式は、集合住宅のMDF(主配線盤)から各戸までの接続を、VDSLモデムを用いて電話回線用のメタルケーブルで行う方式。LAN配線方式は同じく、LANケーブルで接続するもので、フレッツ 光ネクストでの通信速度はいずれも最大100Mbpsだ。これに対して光配線方式は最大1Gbpsのため、VDSL方式/LAN配線方式から切り替えた場合、通信速度の大幅な向上が期待できる。

 ただし、今回の工事費無料が適用されるには、集合住宅においてすでに光配線化のための準備が整っている必要がある。具体的には、既存の集合住宅内に新たに光配線を敷設するには、光ケーブルを通すための専用の配管を通路などの共有スペースの天井や壁に設置しておかなければならない。

光配線設備の例。光ケーブルを通す専用管を壁などに設置する必要がるため、写真のように露出する

 この配管工事は、NTT東日本ではなく、集合住宅の所有者側で行う。その費用も、一般的に賃貸マンションの場合はオーナー、分譲マンションの場合は管理組合などが負担する。また、賃貸マンションの場合はオーナーの一存で決定できるが、分譲マンションの場合は管理組合の賛同が必要なため、その段階で時間がかかる可能性がある。

 工期についてNTT東日本では、「弊社あるいはご利用場所の設備状況により提供開始までの期間は異なる」としているものの、「一概に半年以上かかるものではない」という目安を示している。

 こうした配管工事が完了したのち、NTT東日本が配管に光ケーブルを通すという流れだ。

 NTT東日本は、このような集合住宅のVDSL方式/LAN配線方式から光配線方式への切り替えを積極的に進めている。「“通信サービスの品質向上”に関するご相談をいただいた際には、光配線方式への切り替えをお勧めしている」ほか、VDSL装置の状況を見ながら切り替え工事を提案したり、新規に建設される集合住宅には光配線を勧めているという。さらに今回、新型コロナウイルス感染症の影響でテレワークやオンライン学習などの利用シーンが広がり、以前より多くの利用者から同様の相談が寄せられていることを受け、無料でのタイプ変更工事を実施するに至ったとしている。