ニュース

5年間追加費用なしでタイムスタンプを自動付与できる2ベイNAS「APX2-TSI3」発売~アイ・オー・データ

電子帳簿保存法への対応や電子データの原本化などに

「APX2-TSI3」

 株式会社アイ・オー・データ機器は、特定用途向けアプライアンス製品として、タイムスタンプ専用の2ベイNAS「APX2-TSI3」を9月中旬より出荷すると発表した。オープン価格だが、想定売価は60万2800円。保存されたファイルに自動的にタイムスタンプを付与できる仕組みとなっており、電子帳簿保存法への対応や電子データの原本化に有効だとしている。

 タイムスタンプとは、ファイルがタイムスタンプの時刻よりも前から存在していることを示す存在証明。また、文書のハッシュ値と合わせて記録することで、ファイルが改ざんされていないか確認できる。APX2-TSI3では、総務大臣から時刻認証業務(タイムスタンプサービス)の認定を受けたセイコーソリューションズのタイムスタンプをオールインワンで提供。5年間のタイムスタンプライセンスがパッケージに含まれており、5年間、タイムスタンプを毎日約2800回付与しても追加費用は発生しないとしている。

 提供されるセイコータイムスタンプサービス「Accredited Type A2」は、PDF文書をベースとした長期署名仕様「PAdES(パデス)」に準拠。インターネットを介していつでもどこでも取得できる、元情報を秘匿して存在が証明できる、PDF文書にタイムスタンプを埋め込むため広く配布することが可能、PDFをはじめ/テキスト/画像/音声などの多彩なデータに適用できる――などの特徴がある。

 タイムスタンプは、指定したフォルダーを監視し、ファイルが保存されると自動的に付与できる。対応するPDFファイルのサイズは500MBまで。また、PDF以外のファイルもPDF台紙の添付ファイルとして扱うことができる。添付できるファイルは1つにつき195MBまでで最大20個、トータル容量300MBまで。

 利用例としては、メールで請求書を受領し、取引情報をPDFで保存したのち、改ざん防止のためにタイムスタンプを付与するといった流れが挙げられている。

 OSはWindows 10 IoT Enterprise 2021 LTSC、CPUはCore i3-12100TE、メモリは8GB。ストレージは、あらかじめ512GBのSSDが2基搭載されており、初期設定はRAID 1だが、RAID 0でも運用できる。背面に10GBASE-T×1、2.5GBASE-T×1、USB 3.2 Gen1(最大5Gbps)×2、USB 3.2 Gen2(最大10Gbps)×2など、前面にUSB 2.0×1の各ポートが用意されている。本体サイズは101×210×160mm(幅×奥行×高さ)、重さは2.1kg。

「APX2-TSI3」の前面。USB 2.0ポートがある
「APX2-TSI3」の背面。HDMI、10GBASE-T、2.5GBASE-T、USB 3.2 Gen2(10Gbps)×2、USB 3.2 Gen1 (5Gbps)×2、電源