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世界最軽量!! VAIOが本気で作ったモバイルディスプレイ「VAIO Vision+」が登場

VAIO創立10周年を機に発売、圧倒的な軽さと薄さ、そして安曇野Finishという信頼

モバイルディスプレイ「VAIO Vision+」とVAIOのノートPC

 VAIOからモバイルディスプレイ「VAIO Vision+」が登場した。14型ワイドで約325gという世界最軽量(2024年6月14日時点 ステラアソシエ調べ)のモバイルディスプレイで、付属の専用カバーは、カバーとしてだけでなくスタンドとしても使えるというこだわりのもの。PCとはType-Cケーブル1本で接続できるのに加えてPDパススルーによってPC側に給電することも可能だ。個人向けの「VAIO Vision+ 14」は5万4800円(VAIO SX12・SX14と同時購入時は5万3000円)、法人向けの「VAIO Vision+ 14P」はオープンプライス。

325gという軽さのモバイルディスプレイはPCと1本で接続

 VAIOといえば持ち運び性能が高いノートPCを数多く手掛けているが、モバイルディスプレイへの進出は今回が初。約325gの本体はカーボンボディにより実現したもの。従来のノートPCで採用していたカーボンボディは熱硬化性カーボン(CFRP)だったが、今回の採用したカーボンは熱可塑性立体成型カーボン(CFRTP)であることが特徴。持ち運びのできるディスプレイだからこそ、軽量かつ堅牢性という特性を兼ね備えている。

VAIO Vision+の正面

 実際にVAIO Vision+を手にすると思わず「軽っ!」と声が出るほど。これまでのモバイルディスプレイとは違った軽さに驚く。この軽さのために耐久性がどこまで確保されているか心配になるが、127cm落下試験や本体ひねり試験などVAIOのPCと同等の品質試験を行っているという。

本体のみでもスタンドがあり、利用できる
真横から見ると、下側に電子回路が入ったところだけ厚みがあり、さらに折りたたんだスタンドがある

 14型の液晶画面は縦横比16:10で、解像度は1920×1200。画面の表面はアンチグレアで表示色数は1677万色、コントラストは1200:1で輝度は400cd/m 2 。視野角は上下左右ともに178度。

 入出力端子はUSB Type-Cを2ポート装備し、どちらもUSB Power Delivery(PDパススルー対応)とDisplay Port Alternate Modeに対応する。PCと接続してPC側から映像信号と電源を供給することもできれば、VAIO Vision+側にType-Cの電源を接続し、もう片方のType-CからPCへ電源を供給するということもできる。

インターフェースは右側面にUSB Type-Cポートが2つ

 また、本体に専用のカバースタンドが付属し、これまでのモバイルディスプレイのようにノートPCの横に置くのではなく、上側にモバイルディスプレイを配置することもできる。上下2画面で場所を選ばす、デスク上のフットプリントを少なくしながらマルチディスプレイ環境が構築できることもVAIO vision+の特徴となる。

自由な働き方と高い生産性を両立

 今回、VAIOがVAIO Vision+を手掛けたのは、オフィスであったり自宅であったりと、場所を選ばすに仕事をこなすためには、サブディスプレイこそ必要なデバイスだと考えたからだという。

VAIOのノートPCにVAIO Vision+を接続、上側に配置した

 ディスプレイの表示スペースがワークスペースの限界を決めているとし、モバイルディスプレイの活用で「自由な働き方と高い生産性を両立する体験」が得られるという。

 しかし、場所を選ばずにモバイルディスプレイを使うためには、持ち運びが必要で、重量などの課題がある。VAIOでは、この問題に対していつでも持ち運べる超軽量のモバイルディスプレイを考え、さらに省スペース化なども効果のある上下2画面を実現すべく付属のカバースタンドまで用意した。約325gはモバイルディスプレイとしては14型以上では世界最軽量であるという。

上下で使えば机上のフットプリントを少なく2画面が使える

 また、ディスプレイを使うとなると電源や接続の問題も出てくるが、ディスプレイの動作に必要な電源は推奨で10W以上となる。また、前述のとおり電源アダプターをVAIO Vision+側に接続すれば、モバイルディスプレイとPCの両方に電源が供給され、電源アダプターも1台で済む。PDパススルーの出力は最大60Wで、パススルー給電する場合は65W以上の電源が推奨となる。

こだわりのカバースタンド

 VAIO Vision+付属のカバースタンドは、本体を持ち運ぶときのカバーであり、ディスプレイとして使うときのスタンドにもなる。

付属のカバースタンドで包んだところ

 本体にはスタンドが付いているため、PCの横に置いて使うなら本体だけでもできる。しかし、例えばテーブルの小さいカフェや仕切りのあるようなオフィスのフリーワークスペースで作業をする場合は、横にモバイルディスプレイを置くのは邪魔になることもある。

カバースタンドにはスタンドを引っ掛けて包むように収納する
本体に付くスタンドのパーツ

 そこで、カバースタンドを活用すれば、VAIO Vision+をノートPCの画面の上側に配置可能で省スペースで2画面を実現できる。さらに上下に配置することで、ビデオ会議のときに、サブディスプレイを見るために目線が横を向いてしまうという問題も回避できる。

 さらに、画面の角度も調整可能。垂直はもちろん、さらに斜め下向きにすることもでき、画面への映り込みを避けることも可能だ。

カバースタンドにVAIO Vision+を取付け、上側にサブディスプレイとして設置したところ
本体のスタンドの角度調整機能があり、それを使うことで、画面を下向きにすることもできる

 このカバースタンドは、多くの試作を行い、実際の使い勝手や意見を集め、完成直前まで試行錯誤を繰り返していたものだという。持ち運び時の保護とディスプレイ利用時の機能向上の両方の役目を持たせている。

カバースタンドの試作品の数々

 さらに、もともと想定されたものではなかったが、応用としてVAIO Vision+の画面を縦向きに配置することも可能だ。業務によっては縦長のディスプレイが適していることもあり、より自由な配置でモバイルディスプレイを使うことができる。

カバースタンドの折りたたみ方と本体の装着方法によって画面を縦向きに配置することもできる
カバースタンドを立てたところ。上側に本体を引っ掛ければ画面の高さを上げることができるし、カバースタンドの横側に本体を引っ掛ければ縦画面とすることもできる

 なお、純正アクセサリーとしては、一定の角度を超えると画面が見えにくくなる「のぞき見防止フィルター」(1万1000円)も用意される。両面テープで貼り付けて利用することもできるが、差し込み用シールも付属するので、頻繁に脱着したいという人も安心だ。

純正アクセサリーの「のぞき見防止フィルター」を装着したVAIO Vision+。横方向から画面が見えにくくなる

新開発の熱可塑性立体成型カーボン(CFRTP)を採用、高剛性で作れ再生も可能

 新開発の熱可塑性立体成型カーボン(CFRTP)でボディは作られているが、これまでノートPCのボディで使われてきた熱硬化性カーボン(CFRP)に比べ、ボディのリブやボスが一体成型でき、高い剛性と耐衝撃性を備える。

成型直後の背面パーツ。補強のリブが見え、このパーツだけでも相当な強度がある

 これは、単なる高剛性のためでなく、部品加工工程削減による加工時のCO2削減につながる。さらに、溶かしてしまえば再生が可能という素材のため、再生しやすい設計にすることができるという特徴もある。

基板を装着したところ

 さらに、これまでPCではボディにネジ止めするための金属のインサートナットを埋め込むことがあったが、VAIO Vision+では再生することを考え、金属のナットの埋め込みをやめたとしている。

 ちなみに、環境面への配慮という点では、販売する際にも付属のカバースタンドに包んだ状態で箱詰めして届けるため、プラスチック素材の梱包材ゼロを実現している。箱の中の製品を包む不織布についても、植物由来の不織布を採用しているとのことだ。

カバースタンドを使って持ち運ぶときはには包みこむように収納する

 なお、VAIOによれば、新開発したCFRTPについてはまだ使い始めたばかりとして、今後ノートPCでも採用していくかなどについては明らかにしなかった。

VAIO株式会社設立から10周年。VAIO Vision+は安曇野FINISHでお届け

 VAIO Vision+の発表は、VAIO株式会社として独立して誕生してから10周年の節目でもある。VAIOとしては、10周年のテーマとして「働き方の質を高める」「持続可能なものづくり」「日本のものづくりの未来を切り開く」の3つを掲げたが、今回のVAIO Vision+はその第1弾となる。

VAIOの10周年記念ロゴマーク

 「働き方の質を高める」「持続可能なものづくり」は前述のとおりだが「日本のものづくりの未来を切り開く」として、VAIO Vision+は長野県の安曇野本社向上にて製造と出荷検査を行う。専任担当者が1台1台検査するという徹底した出荷チェックを行っているという。