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Google、成層圏に気球を漂わせてネット構築、ニュージーランドで実験

 米Googleは、気球によるインターネット接続サービスを提供するための実験「Project Loon」を発表した。まずは6月よりニュージーランドのクライストチャーチとカンタベリーで30機を使って実験を開始する。

 Project Loonで使用するのは直径15メートルほどの気球で、太陽光エネルギーで稼働する。これを成層圏の高度10km~20kmの層に複数配置して気球同士でリングネットワークを形成するとともに、専用アンテナによって地上と3G回線程度の速度でインターネット接続できるようにする。

 従来、気球をネットワーク基地局として活用するには、1カ所にとどまらせることが難しかったという。これに対してProject Loonでは、気球を漂わせるのが特徴。1つの気球がエリア外に行ってしまった場合に別の気球でネットワークを構成し直す、気球群を管理するアルゴリズムを開発した。また、成層圏では、風向きが高度によって一定しているため、気球の高度をコントロールすることで同じエリアを往復させることが可能だとしている。

 Googleでは、世界にはまだ高速インターネット接続が使えない人口が3人に2人の割合で存在しており、そうした地域にサービスを届けるには新しい手法が必要だと指摘。今回の気球インターネットプロジェクトに取り組むことになった背景を説明し、支援者も求めている。

(永沢 茂)