テレワークグッズ・ミニレビュー

第153回

カレンダー取り付けからロードバイクのセッティングまで! レーザーで水平・垂直が出せる「レーザー墨出し器」がなかなか便利だった件

目盛り付きのレーザー墨出し器であんなことやこんなことをやってみた

 自宅で仕事をしていると、ふと壁にかかったカレンダーを見て、「曲がっている!」と思うことがある。あるいはリビングでふと壁掛け額縁を見て、「曲がってる?」と思うときがある。気になり出すと調整するのだが、「あれ? こんどは行き過ぎたか? 見る角度によってもなんか違って見えるような……」そんなモヤモヤした経験はないだろうか?

 今回はそんな水平垂直をバチッと決められるアイテムを買ってみたので紹介したい。

 それが「レーザー墨出し器」と呼ばれるもので、レーザー光で壁などに直線を映し出せる。しかもそのラインは自動で水平・垂直にできるので、レーザーの線に合わせてカレンダーや額縁の角度を合わせれば、真っ直ぐに取り付けることができるというわけだ。

 DIY好きの筆者だと、TVを壁掛けにするときや、壁にDIYの棚を取り付けるときなど、水平を取りたい機会は多く、前から気になっていた。

 ただし、ひと言でレーザー墨出し器と言っても種類は多い。機能も価格もいろいろで、プロ用のものだと、ラインを360度全方向に出すことができ、水平・垂直に加えてその垂直と直交する垂直を出したり、水平も2つのラインが引けたりする。他方、DIY向けのエントリーモデルだと、水平・垂直の2本ラインを、正面の限られた範囲だけ引けるもの。線を引ける範囲は限られるが、価格も手ごろだしコンパクトなものが多い。実際のところ筆者の使い方で360度引けないと困るシチュエーションも思いつかなかったので、今回はこのDIY向けモデルの中から選ぶことにした。

 筆者が選んだのはBOSCH(ボッシュ)のクロスラインレーザー「QUIGO PLUS」というモデルだ。他にも新興メーカーの安い製品もあったが、ボッシュという一流メーカーの製品がちょうどスマイルセールで7239円という価格で買えたので、思い切って買ってしまった。

 ボッシュからはちょっとだけ価格が上のモデルで、「GLL50G」というモデルもある。こちらはプロユース向けのラインアップでレーザー光が緑色(QUIGO PLUSは赤色)。一般的に緑色のほうが屋外での視認性は良いと言われている。

 それでもあえてQUIGO PLUSを選んだのは、QUIGO PLUSならではの特長として、水平・垂直のラインに等間隔の目盛りが付くというのがよさげだったから。

レーザー光で水平と垂直の線を描く、さらに等間隔の目盛りが付くのがQUIGO PLUSの最大の特徴

 例えばフォトフレームを等間隔で並べて飾りたい、という使い方ができるのはもちろん、センター出しや、あるいはセンターから左右等間隔の位置決めが格段にやりやすくなる。例えば壁面の真ん中に時計を置きたい、という場合にも、わざわざメジャーを使うことなく、これだけでセンターが出せる。

 さらにもうひとつ企んでいるのが、筆者の趣味であるロードバイクの計測。例えばタイヤとハンドルが真っ直ぐになっているのかとか、あと、ロードバイクのブレーキレバー(STIレバーと呼ばれるもの)の取り付け位置の調整に使いたい。このSTIレバーは高さはもちろん、どれぐらい内側に曲げるかというのもあるので、この等間隔の目盛りがかなり役立ってくれるはずだ。

ロードバイクのセッティングに使ってみたいと考えた

使い勝手を向上させるオプションが付属

 ということでまずは届いた製品を見ていこう。

 本体は65×65×65mmの立方体で手のひらに乗るコンパクトサイズ。側面の縁がソフトラバーになっていて、持つときも置いたときも滑りにくい。電源は単4アルカリ電池2本。バッテリー式のほうがランニングコストは抑えられるが、使用頻度としてそこまで多くはないので、乾電池式のほうが望ましいと思っている。

本体、三辺とも65mmの立方体
背面は電池蓋
底面には三脚などが固定できる1/4ネジ穴がある
電池は単4アルカリ電池2本

 本体にスイッチらしいスイッチはなく、カバーを開けるとオン、閉じるとオフという極めて簡単な操作方法になっている。レーザー墨出し器だと水平を保つモードとロックしたモードを選べるものが多いが、QUIGO PLUSではロック機能はない。

前面のシルバーのカバーを開けると電源オンになる
スライドカバー以外にスイッチ類はない

 本体の他に、本体をテーブルなどに固定できるマルチマウントクリップと、高さや奥行きなど調整可能なアダプタープレート、そして壁面に対して直角にレーザーが当たっているかを調べるターゲットプレート、そして単4電池2本も付属する。

BOSCH QUIGO PLUS セット内容

 本体底面には1/4ネジ穴があって、一般的な三脚などに固定できる。付属のマルチマウントクリップも1/4ネジになっているので、本体に接続可能で、反対側は10~60mmのパイプや板などを挟めるクランプになっている。三脚などを持っていない場合も、家にあるいろいろなものを三脚代わりに使うことができる。他の製品だとマグネットで固定できるスタンドが付属している場合が多かったが、家ではマグネットが付けられるような壁も柱もあまりないと思うので、クランプのほうが使い勝手は良いと思う。

マルチマウントクリップはテーブルなどにクランプして本体を固定できる

 アダプタープレートは、本体にある溝に引っかけて固定できるプレートで、本体の天面・背面・底面の3カ所に装着できる。反対側には1/4ネジ穴があるので、例えば本体を吊り下げて固定するようなことができる。

 最大の特徴はスライド機構が付いていること。位置調整ネジを回すことでスライドする構造になっていて、例えば背面に取り付けた場合は上下方向に、天面や底面に取り付けた場合は奥行き方向に位置を微調整できる。特に水平のラインは高さをきちんとそろえる必要があるので、この機能はとても便利。三脚にもエレベーター機能はあるが、細かい調整はしにくいので、これは本当に便利だと思う。

アダプタープレート。本体に引っかかるようになっている
アダプタープレート裏面。1/4ネジ穴があって三脚などに固定できる。その横にあるのは位置調整ネジでスライド機構を持つ
背面に装着状態。この状態だと上下方向にスライド調整ができる
天面に装着した状態。天面と底面に付けると前後方向にスライド調整できる

 ただ、実はこのアダプタープレート、実際に使ってみるとクリティカルな問題があった。というのが三脚などと固定するための1/4ネジ穴のすぐ横に位置調整ネジのノブがあるのだ。そのため多くの三脚ではノブがジャマで取り付けられない。手持ちの三脚の中ではスマホなどを固定するために買ったミニサイズの三脚だけしか取り付けられなかった。

1/4ネジ穴のすぐ横に調整ネジがあるため、かなり小さいマウントの三脚しか取り付けられない
マンフロットのスマホやコンデジ向けのミニ三脚には取り付けられた

 ただ、付属のマルチマウントクリップは取り付けられるので、マルチマウントクリップで三脚を挟み込んで、その先にアダプタープレートを付ける、という、ちょっとややこしい使い方をすることにした。おそらく三脚なんて持っていない人を想定して作られているのだろう。

マルチマウントクリップをアダプタープレートに付けて、それを三脚に付ける。ややこしいが高さ方向の微調整がやりやすくなる

 それと電池はアルカリ電池(単4)2本が付属するが、試しにニッケル水素充電池(エネループ)を使ってもちゃんと機能した。それほど使用頻度が高くないであろうことを考えると、専用バッテリーより使い勝手はいいだろう。

1.2Vのニッケル水素電池でも動いた

水平・垂直がカンタンに出せる!

 ということで使ってみたい。

 付属の電池を入れたらスライド式のカバーを開ければレーザーが照射される。本体の中にはレーザー光を発光する部分が振り子のような状態でぶら下がっているような構造で、最初はレーザー光もゆらゆらと揺れているが、本体を置いておくとすぐに揺れが収まって水平・垂直になるという仕組み。振り子は常にフリーの状態なので、近くを歩いたりして振動が伝わるとまた揺れる。

 また、調整できる範囲は4度までなので、本体はある程度水平に近づけて設置する必要はある。4度を超えている場合は発光が止まるので、発光できていれば水平・垂直が出せているということになる。

 さて実際に使ってみた印象だが、まず緑より視認性が落ちるという赤色のレーザーだが、室内で使っていればそれほど見にくいとは感じなかった。もちろん日当たりの良い部屋だと条件も変わってくるだろうが、直射日光が当たっているような場所でもなければ、よく見える。スペック上は7mまでとなっているが、我が家の一番距離が取れる場所で8mぐらい離してみても十分使えるだけの明るさ、見えやすさがあった。

使い方は簡単。スライド式のカバーを開いてある程度平らなところに置けば水平・垂直を出してくれる。赤いラインも結構見やすい

 ただし、映写する対象によっては見えにくく感じることもある。例えば黒とか反射しやすいものだと見えにくく感じるが、その場合は黄色いマスキングテープなどを貼ると見えやすくなった。

 というわけで明るさは良かったが、意外だったのがレーザーの線が思ったより太かった。実測でだいたい4mm程度。ただし近くでも遠くでも線の太さがほぼ変わらないのはさすがレーザー光という感じ。なので、線の真ん中を狙うとか、線の端にそろえる、という使い方をすれば実用上は問題ない。

 レーザー光を引ける長さだが、映写する壁からの距離によって変わって、およそだが壁からの距離の1.5倍ぐらいの長さラインが引ける感じだ(水平、垂直とも)。なので廊下やトイレの中など、距離が取れない場所での作業だと、引けるラインの長さが短くなってしまう。

目盛り機能は便利、だけどセッティングは大変

 そしてこの製品の目玉である等間隔の目盛り。縦方向の目盛りは問題無いが、横方向の目盛りを等間隔にするためには、映写する壁面に対して直角にレーザー光が当たるようにしないといけない。そのためのツールが付属のターゲットプレートだ。

 ターゲットプレートには赤い線が引いてあって、ターゲットプレートを壁にくっつけた状態で、その赤い線とレーザー光が重なれば直角が出る、という仕組みだ。

ターゲットプレート。レーザー光が赤いラインにそろうようにする
こんな感じになれば角度はOK、あとは位置が合うようにする

 ただしこれがやってみると結構大変。直角を出すだけなら本体を左右どちらかに振れば良いだけだが、そうすると左右の中心がずれてしまう。なので、まずは直角を出して、その後左右を調整、そして再度直角を見て、ダメなら再度左右を調整、という作業が必要になる。

 しかも目盛りを希望の幅にするためには、壁面からの距離も調整する必要があるので、なかなか根気のいる作業だ。

 付属のマルチマウントクリップを底面に取り付けて前後方向を微調整できるようにしておくと、目盛りの間隔の微調整には使えるが、横方向にもスライドしたいところ。もしこの機能を多用するなら、三脚に取り付けるスライダーを使うと良さそうだ。

 筆者は使ったことがないがNEEWERの4ウェイマクロフォーカスレールスライダーなどが便利だと思う。また、ボッシュから測定用アルミ三脚「BT150」という製品が出ていて、こちらがハンドル式のエレベーター機構が付いていて、一般的なカメラ用三脚より使い勝手が良さそうだ。この2つを組み合わせるとかなり使い勝手がよくなると思う。

 それと付属のターゲットプレートは小さくてちょっと使い勝手が悪く感じたので、筆者は差金(L字の定規)を使った。そのままだとレーザー光が見えにくかったのでマスキングテープを貼って使った。このほうが水平も出しやすく直角も長さがあって分かりやすいのでオススメだ。

ターゲットプレートより差金のほうが使い勝手がいい。マスキングテープを貼るとレーザー光が見やすくなる

 試しに以前DIYで自作して壁に取り付けた棚の水平とセンターを調べてみたところ、ちゃんと水平でセンターに取り付けられていたようだ。当時は結構苦労して位置合わせした覚えがあるが、まぁうまくできていたようだ。

 また、別の壁で壁の真ん中にフックを取り付ける作業をやってみた。ただ、壁の正面にセッティングしつつ、目盛りが壁と壁の端に行くように調整するのは、結構大変だった。センターを出すだけなら、取り付けたい高さに水平のラインを引いて、そのラインに合わせてメジャーで長さを実測したほうが楽だろう。その点はあくまで道具なので、状況次第でうまく組み合わせるのが重要だ。

以前DIYで作った棚。目盛りを合わせてみるとちゃんとセンターに水平に取り付けられているのが分かる
壁の両端に目盛りが来るようにして中央にフックを取り付けてみた
フォトフレームを真っ直ぐ取り付けることも

ロードバイクをいろいろ測ってみたらこれがスゴ過ぎた

 最後に完全に筆者の趣味の話だが、ロードバイクのセッティングに使ってみたのだが、これがスゴ過ぎた。

ロードバイクのセッティングに使ってみた。写真は前後車軸の高さをそろえているところ

 筆者は基本的にすべて自分で自転車の整備をしている。なのである意味テキトーになっている部分も少なくない。例えばハンドルとタイヤの向きはちゃんと合っているか? STIレバーと呼ばれるドロップハンドルに付けるブレーキレバーは同じ高さ、同じ角度になっているか? サドルは水平に付いているか? などなど。

 もちろん目で見て分かるレベルでは調整しているが、どこまでちゃんとできているのかはこれまで調べようがなかった。そこでこのQUIGO PLUSを使えば、例えば左右のSTIレバーの高さはもちろん、目盛りを合わせることで左右のレバーの取り付け角度をきっちりとそろえることができる、というわけだ。

 まずはスタンドに固定して自転車を垂直にする。ところが正面からレーザーを当ててみたところ、目視では分からないレベルで若干傾いているのが分かった。スタンドでも若干は傾いてしまうようだ。なので、その分は手で微調整。

 これでフロントタイヤからフレームまでが一直線になったが、今度はハンドルをコラムに固定するステムがわずかだがセンターにそろっていないことが発覚。

ロードバイクの正面からレーザーを当てると、スタンドでは垂直になっていないことや、ハンドル(ステム)が若干曲がっていることが発覚した

 そこでハンドルの角度も調整すると、今度こそタイヤ、ステム、サドルまでが一直線になった。そこで今度は高さと距離を調整して、STIレバーの先端に目盛りが来るように調整する。黒いSTIレバーはそのままだとレーザー光が見えにくいのでマスキングテープを貼ってレーザー光を見やすくする。

 すると、やっぱり若干だが高さも内側への曲がり具合もずれていた。かなりシビアに調整したつもりだったが、そもそも目視ではバイクの垂直もちゃんと取れていないのだから、ずれるのも当然なのだろう。

センターをそろえ、写真左側のSTIレバーに高さと目盛りをそろえると、写真右側のレバーが若干高く、また内側を向いていることが分かる

 しかし目盛り付きのレーザー墨出し器を使えば、バイクの垂直も、STIのわずかな差も明確にできるわけだ。

 また、マニアックになりすぎるので本稿では軽く触れるだけにするが、ポジションの数値化もしてみた。

 まずは水平のラインで前後車軸の高さをそろえた状態にしてから、垂直ラインをクランク軸(ペダルが取り付けられているアームの回転軸の中心)にそろえる。すると、クランク軸を中心としたサドルまでの水平距離やハンドルまでの水平距離を計測できるようになる。また、水平のラインをサドル高に合わせれば、ハンドルとの落差を計測できる。あとはクランク軸からサドル座面までの寸法を測っておけば、次のバイクを選んだりセッティングするときに参考にできるわけだ。

垂直をクランク軸にそろえることで、クランク軸真上からサドルまでの距離が測れる
こちらはクランク軸真上からハンドルまでの距離
サドル座面からハンドルまでの落差
クランク軸からサドル座面までの距離も測りやすい

 自転車好きじゃないとなんのことか分からないだろうが、このあたりは機会があれば別連載「ぼっち・ざ・ろーど」でも掘り下げてみたい。

 そんなわけで、もちろん水平・垂直を出すだけの機械ではあるのだが、工夫次第でいろいろと役に立つ機会はありそうだ。

 DIY好きの人やロードバイク好きの人は参考にしていただければ幸いだ。

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