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「iPhone 6が当選しました」……突然表示されるポップアップメッセージに注意

 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は1日、iPhone人気に便乗していると思われる手口について注意喚起した。

 6月以降、iPhoneユーザーから以下のような相談が寄せられるようになったという。IPAでは、いずれもクレジットカード情報の入力やアプリのインストールを促すための偽のメッセージである可能性を示唆している。

  • ウェブサイトを閲覧していたら「おめでとうございます」というメッセージが表示され、当選の景品としてiPhone 6がもらえるという案内だったのでアンケートへの回答と個人情報を入力してしまった
  • 突然、ウイルススキャンが実行され、その結果、iPhoneがウイルスに感染しているという警告が表示された。その後、ウイルス駆除のためにセキュリティアプリをインストールするようにとApp Storeに誘導された

 iPhone 6の当選を装ったメッセージでは、突然ポップアップメッセージが表示され、いくつかのアンケートに回答すると、iPhoneが当選したと表示される。さらに手続きを進めると、別サイトに誘導され、当選したiPhone 6の発送に必要という名目で氏名、住所、メールアドレス、クレジットカード情報の入力を促される。また、上記のほか「Apple Watchがもらえる」「期限を過ぎると他の人の手に渡る」など、さまざまな類似パターンが確認されているという。

 IPAでは、フィッシングサイトである可能性が高く、クレジットカード情報など入力した情報が悪用される恐れがあるとしている。もし、情報を入力してしまった場合は、クレジットカード会社へ早急に連絡・相談する必要がある。また、「iPhone 6の抽選に当たりました」と表示される画面では、当選者のコメントなど偽情報を掲載しており、当選を信じ込ませるための演出だと考えられる。なお、情報を入力していなければ、個人情報を悪用される恐れはないため、ブラウザーのタブを閉じれば問題ないとしている。

当選の景品としてiPhoneがもらえるという手口の流れ
当選者のコメントなど、嘘の情報を掲載してユーザーを信じこませるための演出も用意されている

 ウイルスが感染していると表示されるメッセージでは、ウェブサイトの上のあるリンクをクリックすると、「ウイルスが検出されました」というポップアップメッセージが表示され、ウイルススキャンの画面が表示される。スキャン完了後、ウイルス駆除のためにApp Storeでセキュリティアプリをインストールするよう促される。

 IPAでは、ウェブサイト閲覧中に突然表示されるメッセージによって、情報入力画面やアプリのインストールに誘導された場合の基本的な対策は、その時点でブラウザーを閉じることだとしている。また、ポップアップメッセージが表示された状態でタブを閉じる操作を行えない場合は、設定から「履歴とWebサイトデータを消去」をタップし、ブラウザーの閲覧履歴を消去する必要があるとしている。

セキュリティアプリのインストールを促すための警告が表示される
ブラウザーの閲覧履歴を消去する手順

(山川 晶之)