ALSI、汎用USBメモリを暗号化するソフト「SecureDevice」


専務取締役 営業統括部長の輿石大治氏

 アルプスシステムインテグレーション株式会社(以下、ALSI)は7月27日、USBメモリの暗号化ソフト「InterSafe SecureDevice(以下、SecureDevice)」を、8月24日から販売開始すると発表した。

 SecureDeviceは、業界初という、汎用USBメモリを暗号化メモリに変換するソフト。昨今話題となっているUSBメモリ経由の情報漏えいやウイルス感染といった問題に、初めから暗号化モジュールが組み込まれた専用USBメモリを購入するよりも、低コストで対策できる。

 要素技術となるのは、内部に実装された「仮想暗号化ドライバ」。SecureDeviceによって特殊フォーマットされたUSBメモリは、制御エリアとデータ格納エリアを持つようになり、データ格納エリアへ格納されるデータは、この仮想暗号化ドライバによってすべて暗号化される。

USBメモリからの漏えいが圧倒的に増加傾向暗号化済みUSBメモリとのコスト比較。汎用USBメモリ+SecureDeviceの組み合わせなら、およそ半額に抑えられる
3つのモードで用途に応じた操作制限を実現

 暗号化だけでなく、USBメモリを一元管理できるのも特徴。利用の流れとしては、管理コンソールで汎用USBメモリを登録し、暗号化USBメモリを作成する。従業員は配布された暗号化USBメモリに、業務で使用するPCを「ホストPC」として登録。これにより、管理コンソールからの一元管理とログ監視が可能となる。併せて、認証パスワードも設定する。

 ホストPC上では、通常のUSBメモリと同じように利用可能。「ゲストPC」(自宅PCなど)に挿入された場合にデータコピーなどの操作を制限する。なお、最初にUSBメモリを登録する際に、「パスワードモード」「情報漏えい対策モード」「ウイルス対策モード」が選択でき、操作をどこまで制限するかはモードによって異なる。

 「パスワードモード」は最もゆるい設定で、ゲストPC上でもパスワード認証をパスすれば、PC-暗号化USBメモリ間でデータの双方向コピーが行える。一方、残り2つのモードでは、ゲストPCでパスワード認証をパスしても、USBメモリ上でしか閲覧・編集が行えないほか、「情報漏えい対策モード」では、暗号化USBメモリからPCへのデータコピーを禁止し、「ウイルス対策モード」では、双方向のデータコピーを禁止する。

USBメモリとホストPCを登録することでデバイスの一元管理を実現ゲストPC上では暗号化されたUSBメモリ上でのみ閲覧・編集が可能暗号化とパスワード認証を組み合わせてデータを保護
USBメモリ経由型マルウェアの感染拡大を防止

 USBメモリを経由するマルウェアは、感染したPCに挿入されたUSBメモリに、マルウェア本体や不正な「Autorun.inf」をコピーすることで感染を広げていく。PC-暗号化メモリ間のデータコピーを禁止する「ウイルス対策モード」では、たとえゲストPCがマルウェアに感染していても、マルウェアはUSBメモリに自身を書き込むことができないため、感染を防止できるというわけだ。

 また「他社製品では、扱えるのはMicrosoft Officeファイルのみ、などの制限があったりするが、SecureDeviceではファイル形式を問わず保存できるのも特徴」(専務取締役 営業統括部長の輿石大治氏)とのこと。

 価格は、管理ソフトと5ライセンスを含んだ基本パックが3万8000円(税別)。追加ライセンスの価格は、1~99本までが7200円(同)/ライセンス、100~499本までが6800円(同)/ライセンスなど。ライセンスは、SecureDeviceで特殊フォーマットを行うごとに1本必要だが、暗号化されたUSBメモリが故障した場合は、同一ライセンスで、別のUSBメモリに取り換えることができる。

 ALSIでは、初年度5万ライセンス、3億円の売り上げをめざす。

暗号化されたUSBメモリからPCへのデータコピーが禁止された様子管理画面汎用USBメモリを登録している様子。有効期限も設定できる

 


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(川島 弘之)

2009/7/28 20:56