みんなでWebページにコメントを残せる「Google Sidewiki」公開


「Google Sidewiki」概要ページ

 米Googleは23日、どのようなWebページにもコメントを書き残すことができる新サービス「Google Sidewiki」を公開した。「Googleツールバー」の一機能として公開されたもので、同ツールバーのInternet Explorer版、Firefox版で対応している。

 「Google Sidewiki」は、ブラウザのサイドバーとしてページの左側に現れ、閲覧しているページに対して人々が残したコメントを読んだり、自らコメントを書き込むことができる。

 最も的確なコメントが上位に表示されるよう、Googleではその仕組みに注意を払ったと説明している。まず、最新のコメントを一番上に表示するのではなく、最も品質が高く、役に立つコメントを、上位にリアルタイムに表示するためのアルゴリズムを採用したという。

 さらに引用文に対しても同じコメントが表示されるよう工夫している。例えば、オバマ大統領の演説に対して付けられたコメントは、その演説を引用しているWebページに対しても現れる。それに加えて、そのページについてコメントしているブログや、その他の情報源に関する情報も表示されるとしている。

 現時点で「Google Sidewiki」はGoogleツールバーの一機能として公開されているが、今後はWebブラウザ「Google Chrome」や、その他の環境にも対応できるようにしていきたい考えだ。また、「Google Sidewiki」のユーザーコンテンツを利用できるようにするために、「Google Sidewiki API」も公開されている。

 Webページにコメントを残すアイデアは、昔からいくつも浮かんでは消えてきた。例えば、最も有名になったのは、1999年に発表された「ThirdVoice」というサービスだ。しかし、当時はソーシャルメディアという考え方もまだなく、“便所の落書き”になってしまうという批判も多かったこともあり、こうしたサービスは成功に至らなかった。それが最近では、この分野に再び多くの企業が参入していることで注目されている。ソーシャルメディアが市民権を得た今、Googleが高度なアルゴリズムを利用することによって、どこまで有用なサービスに成長させられるか注目されるところだ。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2009/9/24 15:02