CPIのレンタルサーバーで「Google Apps」が簡単に利用可能に


KDDIウェブコミュニケーションズ代表取締役社長の山瀬明宏氏

 KDDIウェブコミュニケーションズは13日、ホスティングブランド「CPI」において、Googleが提供するWebアプリケーション「Google Apps Premier Edition」と連携するプランの提供を開始した。

 「Google Apps Premier Edition」は、GmailやGoogleカレンダーなどのWebアプリケーションを独自ドメインで利用可能にする、企業向けの有料サービス。KDDIウェブコミュニケーションズでは、CPIの共用レンタルサーバー「シェアードプラン Zシリーズ」において、Google Appsとの連携機能の提供を開始。レンタルサーバーの利用者が、簡単にGoogle Appsを利用できるようにした。

 通常、Google Appsを利用するためには、ユーザーがDNSにMXレコードやCNAMEレコードを設定する必要がある。こうした知識の無いユーザーには利用が難しいが、CPIのサービスではこの設定を自動化し、レンタルサーバーのコントロールパネル画面から簡単に利用できるようにした。

 レンタルサーバーのコントロールパネル画面から、通常のメールアカウント作成と同様にユーザー名とパスワードを入力して、「Google Appsと連携」にチェックを入れるだけで、レンタルサーバーとGmailの両方にアカウントが作成される。メールは双方に届くようになるため、通常のメールクライアントを使いながら、GmailをWebメールとして利用できる。また、作成したアカウントで、GoogleドキュメントやGoogleカレンダーなどのアプリケーションも利用可能となる。

 CPIの「シェアードプラン Zシリーズ」は、最も安いエントリープランで月額3990円、ディスク容量50GB。ディスク容量に応じて5種類のプランがある。「Google Apps Premier Edition」との連携機能は、基本料金はレンタルサーバーの料金に含まれ、1アカウントが追加費用無しで利用可能。また、アカウントを追加する場合は1アカウントにつき月額500円となる。

レンタルサーバーのメールアカウント管理画面から、簡単にGoogle Appsと連携するアカウントが作成できる作成したアカウントの一覧画面。Google Appsと連携しているアカウントにはアイコンが表示される
KDDIウェブコミュニケーションズSMB事業本部長の高畑哲平氏

 KDDIウェブコミュニケーションズSMB事業本部長の高畑哲平氏は、「2010年はクラウド元年になると言われているが、日本の企業の97%は従業員数50人以下の中小企業で、こうした企業には導入が困難」だとして、そうした企業が簡単にクラウドを導入できるサービスとして、今回のGoogle Apps連携サービスの提供に至ったと説明。このサービスにより、既存のレンタルサーバーの利用者が、特別に意識せずクラウドサービスが利用できるようになり、「既存のホスティングとクラウドの『ハイブリッドホスティング』が中小企業には必要だと考えている」と語った。

 KDDIウェブコミュニケーションズ代表取締役社長の山瀬明宏氏は、「日本の人口・世帯数は今後減少するが、人口上位10カ国でこれから減るのは日本とロシアだけ」として、今後の日本企業は商圏を求めて海外への進出が増えると予測。こうした状況では、情報共有においてネットサービスの重要性がさらに高まるが、海外からのアクセスなどではグローバルにクラウドを展開しているGoogleのサービスに強みがあるため、今回の提携に至ったとした。

日本の企業の97%は従業員数50人以下の中小企業中小企業のクラウド導入には「ITスキル」「費用対効果」の2つの壁がある
既存のホスティングとクラウドの「ハイブリッドホスティング」各国の人口予測。日本・ロシア以外の人口は増加

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(三柳 英樹)

2010/1/13 17:01